被爆地ヒロシマが被曝を拒否する伊方原発運転差止広島裁判
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「ふるさと広島を守りたい」ヒロシマの被爆者と広島市民が、伊方原発からの放射能被曝を拒否し、広島地方裁判所に提訴しました

第4回口頭弁論 2017年2月6日

本訴第4回口頭弁論期日の概要報告

 伊方原発広島裁判本案訴訟(本訴)第4回口頭弁論が2017年2月6日(月)広島地方裁判所302号法廷で午後2時きっかりに開かれました。本訴は別進行の伊方3号機仮処分命令申立事件と密接に絡まり合い依然として高い関心を集めています。

29席を巡って53人で抽選

 302号法廷は広島地裁の中ではもっとも傍聴席が大きい法廷の一つですが、それでも傍聴席は60席。60席のうち20席は原告団が原告席(バー外原告)として事前に広島地裁に申請して認められ原告席になっていますので、残り40席が傍聴席。その40席も11席が報道席として確保されていますので、傍聴席といっても残り29席しかありません。私たちの裁判の支援者や四国電力の関係者を中心とした53人が29席の傍聴席獲得を巡って今回も抽選が行われました。(報道席は1社がぎりぎりになって辞退したので最終的には10席。ポツンと残った報道席1席には抽選補欠当選者の1人が開廷間際に滑り込みました)
 法廷内原告席(バー内原告席)には、堀江壯原告団長、伊藤正雄副団長、小倉正、網野沙羅、綱﨑健太の5人の原告が座って四国電力側代理人や四国電力幹部社員と対峙しました。
(なお特別なバー内被告席は設けられていません)

さっぱりわからぬやりとりではあるが・・・


 午後2時きっかりに末永雅之裁判長が現れ開廷。(右陪席:山本由美子裁判官、左陪席:岡村祐衣裁判官)
 第4回口頭弁論期日のために、原告側からは準備書面4「被害論」(準備書面3「被害論」の補充書)準備書面5「被告答弁書に対する認否」の2通が提出されており、また被告側からは準備書面2と証拠書面が提出されていましたので、末永裁判長はまずこれら提出書面の確認を原告側弁護人と被告側弁護人双方に行いました。

 これらのやりとりは、傍聴席から見るとまるでちんぷんかんぷん。なにが行われているかさっぱりわかりません。近年裁判が陳述中心から書面提出中心に移行しつつあり、提出書面の確認で終わってしまうためです。  つづいて末永裁判長は、これから提出される予定の準備書面6~13まで、双方が事実関係についてキチンと「認否」を確認しながら進めるように注意を促しました。お互いの主張に対して事実関係の認否をしっかりしないまま審理が進行すると、議論が噛みあわないまま、すれ違いに終わることになるので、当然といえば当然の注意でしょう。
 たとえば、今回原告側弁護団が提出した準備書面5では、四電側は、原発は電力安定性や経済性に優れているという主張に対して、原告らは憲法13条や15条などに保障された人格権侵害を原発事故の具体的危険から守ろうとしているのであって、人格権よりも電力安定性や経済性が優れているという主張ならばそれは失当であると述べて四電の主張とかみ合わせようとしています。
 というのは今回の裁判は、原発が経済性に優れているかどうか(実際には高コストの発電手段なのですが)、また電力安定性に寄与しているかどうか(実際には原発の電気がなくても日本は電力過剰供給体制国なのですが)、またCO2を排出しないが故に環境性に優れているかどうか(実際には、放射性物質を放・排出するが故に劣悪な環境性なのですが)などを争う裁判ではなく、人格権を侵害する具体的危険性があるかないかを争う裁判なのです。
 経済性や電力安定性や環境性を持ち出すのであれば、なかなか議論は噛みあいません。

 しかし双方の準備書面などを読み込んで中身に精通してくるとなかなか含蓄のあるやりとりが行われていることがおぼろげながらわかってきます。

「せっかくきていただいているので・・・」


 その後裁判手続き上の細かなやりとりと確認があった後、末永裁判長は「(これだけ多くの人に)せっかくきていただいているので、(原告側代理人弁護士から)何かありますか」と水を向けました。
 その場のでは「オヤ?」と思われた人も多いと思います。これまでになかった裁判長の発言であり、真意を計りかねたからです。(末永裁判長の真意は後ほどの進行協議で明らかになります)弁護側が特に発言なしと答えると、次回口頭弁論期日が4月19日午後2時からであることを確認して閉廷を宣言しました。(実は次回口頭弁論の開始時間は、後ほどの進行協議で2時20分開始と変更されます)

 午後2時きっかりに始まった第4回口頭弁論は約10分で終わってしまいました。といって第4回口頭弁論期日が終わったわけではありません。場所を変えて進行協議が始まります。

進行協議の開始


 進行協議の法廷は円卓形式の209号法廷です。関係者の移動時間や準備などで開始されたのは午後2時20分ごろでした。

 話はこれ以降の準備書面提出の予定を双方出し合い、審理の今後の予定について大筋メドをつけました。またここでも末永裁判長は、具体的な論点について「事実関係の認否をしっかり明示して欲しい。不知なら不知と(事実関係を確認できないこと)はっきりすること、でないと議論が噛みあわず審理が迷走する」と双方に注文をつけました。

 また論点として、「地盤」、「地震」、「津波」とはっきり分けること、特に「地震」と「津波」は一緒にしないことなどを協議して決めました。また次回第5回以降の口頭弁論では、「地震」と「津波」「その他の自然災害」の順で取り扱うこと、地震が一通り済んだら、今度は被告側の答弁(反論)という流れとなることを決めました。また四電が取り下げを要求している1号機提訴固有の問題はしばらく留保しておくことも決まりました。

「傍聴に沢山の人が来ていただいた」


 ここで次回第5回の口頭弁論期日の話になります。
 末永裁判長は、「毎回傍聴に沢山の人に来ていただいている。こうした人にできるだけわかりやすい形で裁判を進行していきたいと考えている。今の口頭弁論の進め方ではなかなか一般の人には裁判の流れがわかりにくいと思う。そこで進行協議を先にして進行協議の内容も口頭弁論の中で示していければ、口頭弁論も傍聴の人にわかりやすいものになるのではないかと思う。従って次回から進行協議、口頭弁論の順にしたいと思うがどうか?」と双方に提案しました。

 ここでやっと口頭弁論時の「(沢山の人に)来ていただいている」という末永裁判長の真意が明らかになりました。つまり原告側・被告側どちらに有利になるかは別として、これだけ世間の注目を集め、毎回多くの人が傍聴に来ている裁判を、裁判という制限の枠内でも、できるだけ裁判の進行をわかりやすく傍聴人に示していきたいというのが裁判長の真意だったわけです。

 裁判長の提案に双方異存はなく、第5回口頭弁論はいったん午後2時からと決まっていたのですが、開始時刻を繰り下げ午後2時20分とすること、逆に進行協議は午後2時から開始と繰り上がることが決まりました。また裁判進行がわかりやすくなるのなら私たちにとっても大歓迎です。

公開の法廷を内容のあるものにしたい


 こうした末永裁判長の提案について、元裁判官であり私たちの弁護団のリーダーの1人でもある能勢顯男(のせ あきお)弁護士は次のように解説します。
「公開の法廷である口頭弁論をより内容のあるものにしたい、という末永裁判長の気持ちを強く感じます。裁判の進行について、多くの傍聴者にキチンと説明したい、ということではないでしょうか。毎回あれだけ多くの傍聴希望者が詰めかけて、世間の耳目を集めている裁判だ、ということをやはり意識しておられるのだと思います。

またこの種の裁判はずるずると長期化するものですが、長期化することだけは避けたいという末永裁判長の意図も感じています」

大きくいえば傍聴者の数が多いと裁判官が受ける印象も変わっていくということになるのでしょうか。

次回は原告意見陳述


 原告弁護団は次回期日で原告意見陳述をさせて欲しい、と進行協議で申し入れました。被告側同意手続きがあるものの、堀江意見陳述(第1回口頭弁論)、小倉意見陳述(第3回口頭弁論)に続いて第5回では原告意見陳述が行われる見通しです。

 その後末永裁判長は、同時進行中の3号機運転停止仮処分命令申立事件の進行状況に関して話題にし、松山地裁で1月20日に提出書面締め切り(終結)、広島地裁での終結が2月20日に延びたこと、また大分地裁では5月11日に審尋期日が設定されたことなどが確認されました。本訴と仮処分は全く別訴訟とはいいながらも、実は密接に絡まり合っていることを窺わせる話題でした。

 そして最後に次々回(第6回)口頭弁論期日を7月5日(水)に決め、午後2時から進行協議、口頭弁論を午後2時20分から開始することを決めて進行協議を終了しました。


学習会「原発問題は畢竟低線量被曝問題」

なお、口頭弁論後、14時50分ごろから報告会・記者会見、16時から学習会が行われました。 学習会のテーマは「原発問題は畢竟低線量被曝問題」でした。

学習会レジュメ

御案内チラシ
報告1「死ねというに等しい原発避難なのか?」原告 小倉 正
報告2「被害予測が不可能な低線量被曝~放射線被曝に安全量はない~」原告 哲野イサク


本訴進行

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