2017 年 08 月
    1 2 3
4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17
18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
   
前月 今月 翌月
新着記事
【第21回中区定期ミニ学習会】

2017年08月31日(木)

時間:19:00〜約2時間
場所:ウェンディひと・まちプラザ
南棟3階《会議室A》
テーマ:未定

*予約不要、参加費・資料代無料
*どなたでもご参加いただけます。
どうかふるってご参加くださいますようお願いいたします。
報告【第20回中区定期ミニ学習会】

2017年08月19日(土)

8月17日に開催した【第19回中区定期ミニ学習会】の報告です。
ご参加くださいました皆様、誠にありがとうございました。お疲れ様でした。ウェンディひと・まちプラザにて2時間の開催でした。

テーマ
「原発再稼働の法的枠組みに関する考察〜国際標準からはほど遠い日本の原子力規制法体〜」

第20回配布レジュメ「原発再稼働の法的枠組みに関する考察
―国際標準からはほど遠い日本の原子力規制法体系―」


今回は主に、日本と海外の原子力規制法体系を比較し違いをみていきました。
日本では、福島第一原発事故が起きるまでは「過酷事故は起きない」とされ過酷事故の対応は何も考えられていませんでした。
福島第一原発事故が起きてからIAEAの推奨する「5層の深層防護」が取り入れられました。
第1〜3層は過酷事故未満、第4〜5層は過酷事故時の対応です。
そして、第5層は「サイト外の緊急時対応」です。
サイト外とは原発敷地外を指し、放射性物質が敷地外へ放出されてしまった段階の対応です。
つまり第5層は何をするのかというと、住民の避難です。
最終的には人を逃すというのがこの「5層の深層防護」です。
それでは、日本の原子力規制法体系はこの「5層の深層防護」を徹底できているのでしょうか?
第5層は「住民の避難」です。
いざという時、住民を無事に避難させることができるのか?計画には実効性があるのか?それを精査し、これなら大丈夫!と合格証を出す機関はあるのでしょうか?
実際は、地方自治体が避難計画策定を義務付けられ、内閣府原子力防災本部へ提出します。
そこで避難計画が精査されるのかというとそうではなく、精査もされず「合理的であると判断した」として避難計画は出来た!と、第5層の防護は完了となります。
第1〜4層は規制委員会が規制基準に適合しているかを審査することで精査され、
第5層目は避難計画の提出だけで完了し、尚且つ、この提出によって”自治体の同意は得た”という事になっています。(避難計画提出は義務付けられているため、同意することも義務付けられている、と言えます)
第5層の防護である避難計画が精査されずして「5層の深層防護」は徹底されているとは言えません。
(そもそも論でいうと、避難が必要となる発電方法など不要です)

国際基準ではどうなのでしょうか?アメリカの場合をみてみましょう。

原子力規制委員会(NRC)は避難計画の精査を緊急事態管理庁(FEMA)へ依頼、その結果をみてNRCが判断し運転許可を当該原発へ与えます。避難計画に実効性がないと判断すれば運転許可はおりません。実際に「この避難計画では住民の命が守れない」と稼働することなく廃炉が決定した原発もあります。

もう一度、日本の法体系と比較をしてみましょう。
アメリカの原子力規制委員会(NRC)は運転許可を出しますが、日本の原子力規制委員会は運転許可を出すでしょうか?
田中委員長が公言しているように、”規制委員会はあくまで原発が規制基準に適合しているかを精査する機関であって原発再稼動の許可を出す権限はない”のです。
では、だれが?どこが?日本の原発再稼働の許可を出すのでしょうか?

それは明文化されてはいません。
明文化されてはいませんが、2014年11月6日に行われた「原子力問題調査特別委員会」において菅直人議員の質疑によって「原発再稼働の条件として30k圏の自治体の同意が必要である」ことが明白になっています。
明文化されていないことで原発再稼働の許可権限の所在が曖昧になっていますが、この質疑のおかげで、自治体、ひいては住民の判断で原発再稼働の合否が決められるということがわかります。
ぜひ、レジュメに記載してあるこの質疑を声に出して読んでみてください。理解がより深まります。

「5層の深層防護」を取り入れるも、それは徹底しておらず、法的枠組みでは自治体が合否を決める権限を持っているにもかかわらずその権限を行使する事も、その権限を持っていることすら知られていない現状です。そんな法体系自体が不十分ななかでも原発再稼働は着実に進んでいます。”実際にはどうなっているのか”を認識し、”なんとなく原発再稼働やむなし…”に流されない事が、原発のない社会を実現するには必要なのではないでしょうか。

このテーマは第20回で完結いたしました。
次回テーマは決まり次第、開催情報などで告知いたします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
過去の学習会レジュメ・資料は伊方原発運転差止広島裁判のウェブサイトの"参考資料"でご覧いただけます。
【第20回中区定期ミニ学習会】

2017年08月17日(木)

時間:19:00〜約2時間
場所:ウェンディひと・まちプラザ(まちづくり市民交流プラザ)
北棟5階《研修室B》
テーマ
「原発再稼働の法的枠組みに関する考察
―国際標準からはほど遠い日本の原子力規制法体系―」

*予約不要、参加費資料代無料
*どなたでもご参加いただけます。
どうかふるってご参加くださいますようお願いいたします。
夏休み

2017年08月03日(木)

※隔週で定期的に開催してきましたが、
8月3日は夏休みとさせていただきます。
報告【第19回中区定期ミニ学習会】

2017年07月21日(金)

前々回の第17回では、ICRP勧告の基となった疫学調査は「広島・長崎 被爆者寿命調(LSS)」であるという事、そしてそのLSSはどのような調査であったかを見て、ICRP勧告の被曝影響評価がいかに過小評価であるか、ということを学びました。更に、そのICRP勧告を基に今現在の日本で放射線防護体制が作られているということ、それがとても過酷な防護体制であるということを再確認しました。

前回の第18回では、そのLSSを根拠にしたICRP勧告が、現在採られている放射線防護体制にどのように反映されているのかを具体的に検証しました。
また、チェルノブイリ前とチェルノブイリ後のICRPがどのように進化(原発推進側から見て)したのか、その進化したICRP勧告が、如何に無批判に、法令さえ蔑ろにし、現在の日本の放射線防護体制に組み込まれているのかを学習しました。


そして、今回の学習会の冒頭ではテーマにもあるように「伊方原発広島裁判と被曝問題」について考察しました。
裁判に住民側が勝利し、司法によって実行力を発揮するのは”伊方原発3号機を止めること”です。
「しかし、裁判も含めたこの運動は伊方原発3号機を止めることだけが目的でしょうか?」と、報告者の哲野さんは参加者へ問います。
参加者の何人かは首を横に振りました。
その場にいた報告者・参加者にとってこの運動は、スローガンにもあるように、もうこれ以上の「被曝を拒否する」事が目的であり、伊方原発3号機を止めることはその内の1つに過ぎないのです。
(異論はなかったので全員がその想いだったと解釈します)
裁判が終わればこの運動も終わるのか、といえばそうではありません。
伊方原発3号機が止まったとしても、私たちの放射能危機は止まりません。
福島第一原発事故によって拡散される放射能、原発が動くことによって放排出される放射能、増え続ける使用済み核燃料、これから始まる廃炉ラッシュによって生み出される放射性廃棄物、などなど、ひとつの原子炉が止まったところでこの様な放射線源による被曝を防ぐ事は叶わないのです。
例え伊方原発3号機が止まったとしても、この放射能危機に迫られる状況は変わりません。
裁判で伊方原発3号機を止めることだけが運動の目的ではない事は明確になったのですが、それ以外の事が裁判の取り組みなど実務的なことに追われ、具体的にはなっていない事が指摘されました。

そしてレジュメの内容に戻っていきます。項目番号17〜22の最後までに当たります。

[17.ヒロシマの立場とLSSの関係]
[18.偽善のヒロシマ]
『偽善のヒロシマ』このフレーズは報告者の哲野さんが2011年、広島で行われた小出裕章さんの講演について記述した中で用いられたフレーズです。
小出さんは講演の中で
「被爆地・広島で核兵器廃絶の活動をする事はありがたく思う。しかし、核と原子力は同じものです。原子力発電廃絶のために使う力はないということであれば、理解できる。しかい、原子力の平和利用ならいいということであれば間違いだと私は思う。」
と語っているのを受け、核兵器の廃絶を訴えながら原子力には目をそらし続けるなら、それは「偽善のヒロシマだ」と云っているように思える。
と表しました。
広島では「原爆に反対」することは大いに推奨されますが、「原発に反対」すること、話題にすることさえ憚れる空気が流れています。
実際に「原爆の話題ならOK、でも原発の話題はNG」とするお達しが下っています。

2013年に伊方原発広島裁判の前身である「広島1万人委員会」として「四国電力伊方原発 3 号機再稼働に反対する広島市議会決議を求める請願」を広島市に出していました。その時、対応してくれたのは《広島市環境局温暖化対策課》でした。
「事故の可能性がゼロでない限り被害を被る可能性があるのなら、広島市は市民を守るために伊方原発再稼働に反対してください」という主旨で請願を出したので、なぜ危機管理課ではないのだろう?と疑問に思いました。
その旨を質問すると、慣例だそうです。
環境省は原発はCO2出さない発電方法なので温暖化対策に貢献していると認定し、原発を推奨しています。故に原発に関する事は環境局が対応する様です。
その縦割り行政に広島市が従うのなら、実質的に広島市は原発を推奨していることになります。また、それは福島第一原発事故がまるでなかったかの様に事故前と変わっていないことになります。

[19.実践的契機となった福井地裁「樋口判決」]
報告者の哲野さんは、伊方原発広島裁判は”福井地裁「樋口判決」”が無ければ踏み切れなかった、と。樋口決定によって実際に効力をし原発を止めたのを見て裁判も有効であるとわかりました。

[20.本訴。仮処分の同時提訴に踏み切る]
「この場にいる参加者ならよく存じていると思いますので、」と割愛

[21.広島地裁仮処分申立却下]
哲野さんは7月12日に行われた第6回口頭弁論定例学習会に触れ、学習会の報告では「決定文が論理矛盾していて支離滅裂なのは、結果を先に決めたからだろう」と結論付けたことに対し、学習会に参加していた当裁判弁護団の甫守弁護士が意見を求められ、「どんな決定でも結論は先に決めるもので、裁判官は『本当にそれで良いのか?』と自問し、真摯に取り組むことで決定文の内容が定まっていく。あの決定文にはその真摯に取り組んだ姿勢が見受けられなかった」という旨の解説をしたことを取り上げ、その通りであり、学習会で弁護士としての意見を聞けた事は有意義だったと振り返りました。

[22.今後もご支援、ご指導、ご鞭撻を]
「この場にいる参加者ならよく存じていると思いますので、」と割愛

その他、裁判に関連することがたくさん話し合われましたが、お伝えし切れませんので割愛させて頂きます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

◯次回告知◯

※隔週で定期的に開催してきましたが、
翌々週にあたる8月3日は夏休みとなります。

第17回配布レジュメ「伊方原発広島裁判と被曝問題」

第17回配布参考資料「LSSの信頼性に関する疑問点一覧」

第17回配布参考資料「瀬木比呂志 意見書骨子」

第17回配布参考資料「原爆被爆者寿命調査(LSS)の概要」

第17回配布参考資料「ABCC−放射線影響研究所の生い立ちと役割」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

過去の学習会レジュメ・資料は伊方原発運転差止広島裁判のウェブサイトの"参考資料"でご覧いただけます。

第19回中区定期ミニ学習会

2017年07月20日(木)

時間19:00〜約2時間
場所:合人社ウェンディひと・まちプラザ(市民交流プラザ)
南棟 3階 会議室B

テーマ「伊方原発運転差止広島裁判と被曝問題」
(17・18回から引き続き)

*事前申し込み不要
*参加費・資料代無料

どなたでもご参加いただけます。
第18回中区定期ミニ学習会

2017年07月06日(木)

時間:19:00〜21:00
場所:まちづくり市民交流プラザ 南棟4階 会議室C

※事前申込不要 ※参加費・資料代無料
どなたでもご参加いただけます。
どうかふるってご参加頂くようお願いいたします。

第17回広島市定期ミニ学習会
日時:2017年5月11日19:00~21:00
場所:まちづくり市民交流プラザ 会議室B

*予約不要
*参加費・資料代無料
どなたでもご参加いただけます。

第17回から引き続き同じテーマで報告いたします。

第17回配布レジュメ「伊方原発広島裁判と被曝問題」

第17回配布参考資料「LSSの信頼性に関する疑問点一覧」

第17回配布参考資料「瀬木比呂志 意見書骨子」

第17回配布参考資料「原爆被爆者寿命調査(LSS)の概要」

第17回配布参考資料「ABCC−放射線影響研究所の生い立ちと役割」


《報告》

前回の第17回では、ICRP勧告の基となった疫学調査は「広島・長崎 被爆者寿命調(LSS)」であるという事、そしてそのLSSはどのような調査であったかを見て、
ICRP勧告の被曝影響評価がいかに過小評価であるか、ということを学びました。
更に、そのICRP勧告を基に今現在の日本で放射線防護体制が作られているということ、それがとても過酷な防護体制であるということを再確認しました。

[11.福島県民健康調査][12.ICRPリスクモデルとその勧告]
本日の第18回では、ICRP2007年勧告が福島県民健康調査でも「100mSv以下の被ばくでは健康の影響はない」「被ばく影響による疾病はガンと白血病のみである」「被ばくによる症状が現れるのは5年後である」という説の根拠に用いられ、福島第一原発事故に起きた健康被害が、福島第一原発事故による影響であることを否定する材料としてフル活用されました。
もちろん、これらの説が必ずしもそうではないこと、LSSから導き出される結論ではない事は前回学習したとおりです。

ICRP勧告はチェルノブイリ事故を受け、2007年の勧告では更にパワーアップしました(原子力推進勢力にとって)。今までの放射線防護体制のままでは、安全コストや事故時の損失・補償の為に原発コストは禁止的に高価になるためです。

[13.ICRPの放射線防護の3原則]
2007年勧告で「放射線防護の3原則」を掲げ、放射線被ばくによる害よりも核施設など運転することで得られる便益を優先すべきであると言い切っています。

[14.3つの被曝状況][14.「3つの状況」最初の適応例が福島原発事故]
これまでの勧告では公衆の被曝限度は年間1mSvとしてきましたが、2007年勧告で初めて「3つの被ばく状況」を設定しました。

「緊急被曝状況」原発の過酷事故などで施設の敷地外へ大量に放射性物質が放出された時です。20〜100mSv。
フクシマでいうと事故直後から数ヶ月後までです。

[現存被曝状況]事故などによる放射性物質の大量放出期が終わったけれど年間1mSv以下までには下がらない状況です。1〜20mSv。
フクシマでいうと年間被曝線量20mSv以下になったとして、避難解除された区域内の状況です。

[計画被曝状況]原発など核施設の運用に伴う被曝状況です。1mSv以下。広島に住む私たちのいる状況です。

現在、日本国内で現存被曝状況の区域と計画被曝状況の区域が存在するはずですが、明確に区別はされておりません。避難困難区域が解除された報道が流れても、この「3つの被曝状況」については触れられていません。

[15.法令上は現在も1mSvが上限値]
日本では3・11が起きるまで原発は事故を起こさないという安全神話にどっぷりとつかっておりました。なので、事故が起きたらこうしよう、という決まりはなかったのです。現行の放射線防護体制は法令にはなっておらず、事故が起きてからICRP勧告を取り入れて作ったものです。法令上は、今も年間1mSvが上限値です。
では20mSvがまかり通っているのはなぜかというと、
福島第一原発事故が起き、原子力災害特別措置法によって原子力災害対策本部長に就任した内閣総理大臣による指示であるから、ということだけです。
緊急事態とは言え、法令違反が今もなお続いていることになります。後追いでもその放射線審議会で審議するべきです。
(その指示文書は見当たらず、当時の大統領・菅直人が指示したという事実も確認されていません)

[16.100mSvを上限とする根拠]
2007年勧告前までは公衆の年間被曝線量は1mSvを限度としてきましたが、2007年勧告では、いかなる状況であれ限度を100mSvまで引き上げたのです。その100mSvの根拠はなにかというと、やはりICRPの拠り所とするのはLSSのみなのです。
そして「被曝量と被曝影響の度合いは比例する」というLNT仮説を立てながらも、100mSv以下の影響を調べるのは適切ではない、として調べる事はせず、ないものとしています。

他にも学術的知見は膨大にあるのに広島・長崎原爆で行われた調査が、今もなお
原子力推進のために使われている状況です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今回はレジュメの「16.100mSvを上限とする根拠」まで進みました。
次回は引き続き同じテーマで、より詳細に解説していく予定です。

過去の学習会レジュメ・資料は伊方原発運転差止広島裁判のウェブサイトの"参考資料"でご覧いただけます。
第17回中区定期ミニ学習会

2017年06月22日(木)

第17回広島市定期ミニ学習会
日時:2017年5月11日19:00~21:00
場所:まちづくり市民交流プラザ 会議室B

*予約不要
*参加費・資料代無料
どなたでもご参加いただけます。

第17回配布レジュメ「伊方原発広島裁判と被曝問題」

第17回配布参考資料「LSSの信頼性に関する疑問点一覧」

第17回配布参考資料「瀬木比呂志 意見書骨子」

第17回配布参考資料「原爆被爆者寿命調査(LSS)の概要」

第17回配布参考資料「ABCC−放射線影響研究所の生い立ちと役割」

本日、開催した【第17回中区定期ミニ学習会】の報告です。
ご参加くださいました皆様、誠にありがとうございました。お疲れ様でした。
まちづくり市民交流プラザにて2時間の開催でした。

今回の内容は、日本科学史学会 第64回年会関連 公開集会「現代科学技術の脅威 原発の核による放射能惨害に抗して」にて報告者の哲野イサクがお話ししたものです。
伊方原発広島裁判を始める理論的根拠となったECRR勧告に関する話題から始まります。
ECRR勧告は「低線量内部被曝に関する勧告」であり、
「低線量では健康には害はなく内部被曝も外部被曝も影響は同等であるとする学説」を展開するICRPに真っ向から反論する内容です。
ECRR勧告の中でICRP勧告のおかしさを指摘しています。

ICRPのリスクモデルの基礎として用いられるLSS研究はどんな研究なのか、リスクモデルの基礎としてどのような問題点があるのかを参考資料とともに見ていきます。

〈参考資料「LSSの信頼性に関する疑問点一覧」〉
①調査があまりにも遅く開始され、初期の死亡者数が失われている
原爆投下から5年後の1950年1月時点で生きている人を対象としています。
それだけのことなのですが、なぜか「被曝の健康影響は原爆投下後5年経ってからあらわれた」とすり替えられ、それを根拠に福島でも「原発事故後5年以内に現れた健康影響は原発事故由来ではない」とされています。
よく「[信頼のおける研究]や[広島・長崎の被爆者調査]〜によると」と根拠となるデータを示していますが、それはまさしくLSSを指しています。
また、重篤な被害を被った被爆者ほど早くなくなっているはずですが、LSSにはそれが反映されおらず被曝影響が過小評価される要因の一つとなっています。

②不適切な参照集団
LSSは疫学調査です。被爆者を対象集団、非被爆者を参照集団として調査・比較を行います。しかし、参照集団は広島・長崎それぞれが被爆者と同じ広島市・長崎市から選出されており、参照集団も被曝している可能性が高く被曝影響を調べる調査としては不適切であると言えます。

また、「LSS調査」「被爆者手帳」「ABCCが行なった調査」にとっての《被爆者》の定義はばらばらで、時として混乱を招くようです。

⑨がん以外の疾患が除外
LSSの調査対象とした疾患は、がんと白血病のみでした。それだけのことなのですが、
「放射線被曝による健康損傷はがんと白血病だけである」にすり替わりLSSはその根拠として用いられています。前述したように「[信頼のおける調査]によると、」と根拠を示しているのをよく聞きますが、それがLSSです。

レジュメ6P
10、無根拠な外挿
LSSは原爆投下時のガンマ線と中性子線の高線量外部被曝のみの調査です。その結果を低線量被曝・内部被曝に当てはめ被曝のリスクモデルを成形しています。被曝の原理からすると、ICRPのリスクモデルでは低線量被曝・内部被曝を過小評価していると言わざるをえません。

19日にABCC(放射線影響研究所の前身)70周年記念式典が開催されたこともあり、そこであった事も織り交ぜながら報告が行われました。なぜ今になって、ABCCと放影研が一体であることをアピールするのか・・・などICRPの動向について考察する場面もあり、日本の放射線防護政策への影響を感じられました。

今回はレジュメ6Pの10まで進みました。
次回は引き続き同じテーマで、より詳細に解説していく予定です。

過去の学習会レジュメ・資料は伊方原発運転差止広島裁判のウェブサイトの"参考資料"でご覧いただけます。
※延期※第17回広島市中区定期ミニ学習会

2017年06月08日(木)

※延期※
報告者多忙のため延期いたします。ご了承ください。

第17回広島市定期ミニ学習会
日時:2017年6月8日19:00~21:00
場所:まちづくり市民交流プラザ 会議室C

*予約不要
*参加費・資料代無料
どなたでもご参加いただけます。
お気軽にお越しください。
※延期※第17回広島市中区定期ミニ学習会

2017年05月25日(木)

※主催者都合により延期致します。
ご了承ください。

第17回広島市定期ミニ学習会
日時:2017年5月25日19:00~21:00
場所:まちづくり市民交流プラザ 会議室B

*予約不要
*参加費・資料代無料
どなたでもご参加いただけます。
お気軽にお越しください。
※延期※第17回広島市中区定期ミニ学習会

2017年05月11日(木)

主催者都合により延期致します。
ご了承ください。

第17回広島市定期ミニ学習会
日時:2017年5月11日19:00~21:00
場所:まちづくり市民交流プラザ 会議室A

*予約不要
*参加費・資料代無料
どなたでもご参加いただけます。
お気軽にお越しください。
第16回中区定期ミニ学習会 報告

2017年04月28日(金)

昨日、開催した【第16回中区定期ミニ学習会】の報告です。
ご参加くださいました皆様、誠にありがとうございました。お疲れ様でした。まちづくり市民交流プラザにて2時間の開催でした。

「低線量被曝影響ーそのモデル② ECRR2010年勧告第9章をもとに」
前回の続き、第14回レジュメの15ページのスライド30の元素転換の話から始めました。
放射性核種の中には元素転換し別の原子に変わってしまうものがあり、そのなかでもトリチウムは水素の同位体であるため、体内ではトリチウムは水素と認識され、細胞を構成する一部としてとり込まれます。そして分子結合を担う役割を持っています。トリチウムはその状態のまま元素転換をしてヘリウムに変わります。すると、分子同士をつなぎ合わせる役割を果たさなくなり、その細胞は内部から壊れていくのです。
ECRRは、ICRPの勧告は元素転換のメカニズムを全く考慮しないで被曝影響を想定している、と指摘しています。

続いて「ゲノムの不安定性」について解説しました。
ゲノムとはDNAの中にある細胞の設計図のことを指します。ゲノムが不安定になるということは、細胞分裂して生まれる細胞に異常が出るということです。

さらにバイスタンダー効果。バイスタンダー効果とは、放射線を受け被曝した細胞と、すぐそばにある細胞が細胞間通信を行い、被曝した細胞の信号を受けた被曝していない細胞に異常が起こることを指します。そして直接被曝しなかった細胞も被曝した細胞と同様に異常が起こります。

さらに、これにゲノムの不安定性が加わると、細胞分裂した細胞に異常が増幅される場合も多いのです。それは細胞の何世代にも渡ってあらわれます。

このレジュメの最後に報告者の感想として「人間の細胞の玄妙不可思議さ」そして、まだまだ細胞には未知の部分が多いことを棚上げし、放射線防護体制の学説とその手順を構築するICRP派の学者の無知と傲慢さを感じる、と述べ結語としました。
詳しくはレジュメをご参照ください。

第14回配布レジュメ「低線量被曝影響ーそのモデル② ECRR2010年勧告第9章をもとに」


続いて、新たなテーマへと移ります。

「避難基準20mSvの根拠とICRP勧告」
どのように避難基準年間20mSvが導き出されたのか、の経緯を資料と共に検証していきます。

2011年3月11日東日本大震災が起こり、福島第一原発事故がおこりました。そして「原子力災害対策特別措置法」(以下:原災対策特措法)に基づき内閣総理大臣、(当時は菅直人)が緊急事態宣言を告示します。
その時の「原子力緊急事態宣言」が官邸のWEBサイトで閲覧できます。

参考資料・原子力緊急事態宣言文書

署名や告示時間なども記載もなく、文体も整っておらず、当時の官邸のあわてぶりが伺えます。
内閣総理大臣は原子力災害対策本部長に就任し、ほぼオールマイティの権限を持ちます。因みに、福島第一原発事故による原子力緊急事態宣言はまだ解除されていないので、今現在の内閣総理大臣である安倍晋三首相が現・原子力災害対策本部長です。
原子力災害対策本部長の権限のうち一部の権限を委任する文書(案)が残っています。

参考資料・原子力災害対策本部長の権限の一部の委任について

そして、避難指示が出すところにとって違い、統一されないという混乱が起きる日が続きました。風向きにより放射性物質はまばらに拡散し、距離に関係なく場所によって線量は違うため、福島原発からの距離では避難地域を特定できません。

そんな中、年間被曝線量20mSv以上と予測される地区に対して避難指示が出されました。
原災対策特措法に基づいて、原子力災害対策本部長によって年間20mSvの避難基準が出されたのです。
その指示は文書化されていないようです。

参考資料・年間20ミリシーベルトの基準について

この冊子の11ページの⑵、に
「〜ICRPの示す年間20mSv〜100mSvの範囲のうち最も厳しい値に相当する年間20mSvを避難指示の基準として採用しました。」
とあります。
20mSvの根拠は、ICRPの示す数字だとわかります。

そして注目すべきは5ページの⑴、に
「広島・長崎の原爆被爆者の疫学調査の結果からは、100mSv以下の被ばくによる発がんリスクは他の要因による影響によって隠れてしまうほど小さいとされています。」
とあります。この疫学調査とは何を指すのかというと「原爆被爆者寿命調査(LSS)」です。ミニ学習会や定例学習会で幾度なく解説されてきた、あのLSSです。いわずもがなですが、疫学調査としても欠陥があり、放射線影響を検証するには不十分であり、この調査の結論だけを見て放射線防護の参考にすることはあまりに危険と言わざるを得ない代物です。

報告者曰く、この冊子は被曝の知識がある人から見たらツッコミどころが満載です、とのことでした。
詳しくはレジュメをご参照ください。

第16回配布レジュメ「避難基準20mSvの根拠とICRP勧告」


次回は引き続き同じテーマで、より詳細に解説していく予定です。

過去の学習会レジュメ・資料は伊方原発運転差止広島裁判のウェブサイトの参考資料""でご覧いただけます。


報告者:哲野イサク(伊方原発広島裁判原告、Webジャーナリスト)
世話係進行係:重広麻緒(伊方原発広島裁判原告)
問い合わせ先:ミニ学習会係 mini-kkr@hiroshima-net.org

伊方原発広島裁判応援団事務局
saiban_office@hiroshima-net.org 
第16回広島市中区定期ミニ学習会

2017年04月27日(木)

第16回広島市定期ミニ学習会
日時:2017年4月27日19:00~21:00
場所:まちづくり市民交流プラザ 研修室A
※延期※第16回広島市中区定期ミニ学習会

2017年04月13日(木)

仮処分の即時抗告の日と重なってしまったため、延期いたします。

第16回広島市定期ミニ学習会
日時:2017年4月13日19:00~21:00
場所:まちづくり市民交流プラザ 研修室A

次回は翌々週の4月27日となります。
ご了承ください。
※延期※第16回広島市中区定期ミニ学習会

2017年03月30日(木)

※仮処分判断日と日程が重なった為、4月13日に延期にになりました。※

第16回広島市中区定期ミニ学習会
日時:2017年3月30日 19:00~21:00
場所:まちづくり市民交流プラザ 会議室A
第15回中区定期ミニ学習会 報告

2017年03月17日(金)

【第15回中区定期ミニ学習会】の報告です。
ご参加くださいました皆様、誠にありがとうございました。お疲れ様でした。
まちづくり市民交流プラザにて2時間の開催でした。

第10回から続けている
「低線量被曝影響のメカニズムとモデル (ECRR2010年勧告第9章から)」
をテーマに学習しました。

前回の第14回レジュメの8ページのスライド16から始めました。
《セカンド・イベント理論》とは
細胞は放射線を受けるとダメージを修復するため複製モードに入ります。その間に更に放射線を受けること、そして複製モードの細胞は放射線感受性が600倍に跳ね上がり放射線から受けるリスクが非常に高くなることを指します。
外部被曝では、立て続けにレントゲン照射を受ける、など特殊なケースを除けばセカンド・イベントは起こりません。しかし内部被曝では体内に放射線源が留まっているのでセカンド・イベントが起きるのが常です。
「細胞は放射線を受けても、細胞修復機能があるので細胞は損傷を受けません」という言説を目にしたことがおると思われます。この言説は間違ってはいませんが、セカンド・イベントを考慮した説明がなく、内部被曝の過小評価につながる言説であると言わざるをえません。
※放射線を受けた細胞は放射線感受性が高くなることは医科学的に常識であり、レントゲン照射は24時間あけないと照射してはならないと規則になっています。しかし、時間とコストを優先させレントゲン照射を連続して行っている医療現場もあるようです。
ストロンチウム90など核崩壊を繰り返す核種が体内へ入れば、核崩壊をする度放射線を発するため、近傍の細胞にセカンド・イベントが起こるのは避けられません。ストロンチウム90が核崩壊しイットリウム90になり、また核崩壊しジルコニウムになる、といったぐあいにその都度放射線を発します。またプルトニウムの微粒子であるホットパーティクルは不溶性であるため、一度臓器に付着して留まる可能性が高いのでセカンド・イベントが起こる可能性が高いです。
第12回で学習した「免疫監視機構」や「細胞分裂増殖場」など体内で起きる複雑なメカニズムとセカンド・イベントとの関係について 触れ、内部被曝の理解を深めていきました。詳しくは是非、レジュメをご参照ください。
本日、第14回のレジュメは15ページのスライド29まで進みました。次回の第16回の学習会では続きから始めます。レジュメはウェブに掲載しております。ぜひご覧ください。

▽第14回配布レジュメ
http://saiban.hiroshima-net.org/pdf/study/nakaku_14nd_20170302.pdf

過去の学習会レジュメ・資料は伊方原発運転差止広島裁判のウェブサイトの"参考資料"でご覧いただけます。
http://saiban.hiroshima-net.org/sanko_top.html

▼定期ミニ学習会開催情報
http://saiban.hiroshima-net.org/mini/


次回【第15回中区定期ミニ学習会】のご案内
日時:2017年3月30日(木)19:00~
場所:まちづくり市民交流プラザ 南棟4階 会議室A
テーマ:低線量被曝影響のメカニズムとモデル (ECRR2010年勧告第9章から)
※第14回で利用したレジュメを引き続き利用します。

第15回の会場は会議室Aです。開場は早くても開始5分前になります。
開場まで3階フリースペースでお待ちください。

※事前申込不要 ※参加費・資料代無料
どなたでもご参加いただけます。
どうかふるってご参加頂くようお願いいたします。

お知らせ*****************
メールなどでもお知らせしているように、Xデー当日・準備期間と重なってしまう場合はミニ学習会を延期させていただきます。あらかじめご了承ください。
なお、Xデー通知がミニ学習会開催日にあった場合は延期連絡が間に合わないので予定通りミニ学習会を開催します。
*********************


報告者:哲野イサク(伊方原発広島裁判原告、Webジャーナリスト)
世話係進行係:重広麻緒(伊方原発広島裁判原告)
問い合わせ先:ミニ学習会係 mini-kkr@hiroshima-net.org
第15回広島市中区定期ミニ学習会

2017年03月16日(木)

第15回広島市中区定期ミニ学習会
日時:2017年3月16日 19:00~21:00
場所:まちづくり市民交流プラザ 会議室C
第14回中区定期ミニ学習会 報告

2017年03月03日(金)

3月2日木曜日に開催した【第14回中区定期ミニ学習会】の報告です。
報告が大変遅くなってしまい、申し訳御座いません。
ご参加くださいました皆様、誠にありがとうございました。お疲れ様でした。
まちづくり市民交流プラザにて2時間の開催でした。

第10回から続けている
「低線量被曝影響のメカニズムとモデル (ECRR2010年勧告第9章から)」
をテーマに学習しました。

前回の第13回レジュメの9ページのスライド18から始めました。スライド19と20のチェルノブイリのデータから被曝影響に個体差があることが読み取れます。第13回のレジュメの最後では、”放射線被曝許容値は平均的な「ヒト」に合わせて設定するのではなく放射線感受性の高い人に合わせて設定するべきである”という旨のECRRの見解と、”年間1mSvは高すぎる”と報告者の見解を提示し、締めくくられました。
続いて、当日配布した第14回のレジュメに移ります。「少量の被曝量なら生物に良い影響が期待できる」というホルミシス効果の検証から始まりました。”少量の毒は刺激作用がある”というアルント・シュルツの法則を基に、ラッキー博士が放射線影響の研究を実施。内容は低線量の放射線照射が生物の成長・発育の促進、繁殖力の増進及び寿命の延長などの効果をもたらすこともある、というものでした。そこから理論を追行し、小論文「原爆の健康効用」を発表し、原爆は健康を促進した面があると主張しました。原発推進機関はこの研究を発端に、より放射線ホルミシス効果を確立させるべく学術機関へ研究費を投入しますが、思い通りの研究結果は得られませんでした。
ロシア科学アカデミーのアレクセイ・ヤブロコフは放射線による疾病は隠しがたいものとなってきた、「直線しきい値なし」(LNT)理論の材料として「ホルミシス効果」が使われている、と主張しました。ECRRも放射線ホルミシス効果はあるとしても、放射線防護の観点からは考慮すべきではないと結論しています。また、放射線被曝量と健康影響は必ずしも比例するわけではなく、条件や、体内での様々な反応によって多岐にわたる症状が起こり得るとして、ICRPの「放射線による損傷は電離エネルギーの物理量と関数関係」であるという考え方を指摘しています。
第14回のレジュメは8ページのスライド16まで進みました。次回の第15回の学習会では続きから始めます。レジュメはウェブに掲載しております。ぜひご覧ください。

▽第14回レジュメ
http://saiban.hiroshima-net.org/pdf/study/nakaku_14nd_20170302.pdf

過去の学習会レジュメ・資料は伊方原発運転差止広島裁判のウェブサイトの"参考資料"でご覧いただけます。
http://saiban.hiroshima-net.org/sanko_top.html

▼定期ミニ学習会開催情報
http://saiban.hiroshima-net.org/mini/


次回【第15回中区定期ミニ学習会】のご案内
日時:2017年3月16日(木)19:00~
場所:まちづくり市民交流プラザ 南棟4階 会議室C
テーマ:低線量被曝影響のメカニズムとモデル (ECRR2010年勧告第9章から)
※第14回で利用したレジュメを引き続き利用します。

第15回の会場は会議室Cです。ご注意ください。
開場は早くても開始5分前になります。開場まで3階フリースペースでお待ちください。

※事前申込不要 ※参加費・資料代無料
どなたでもご参加いただけます。
どうかふるってご参加頂くようお願いいたします。

お知らせ*****************
メールなどでもお知らせしているように、Xデー準備期間と重なってしまう場合はミニ学習会を延期させていただきます。あらかじめご了承ください。
なお、Xデー通知がミニ学習会開催日にあった場合は延期連絡が間に合わないので予定通りミニ学習会を開催します。
*********************


報告者:哲野イサク(伊方原発広島裁判原告、Webジャーナリスト)
世話係進行係:重広麻緒(伊方原発広島裁判原告)
問い合わせ先:ミニ学習会係 mini-kkr@hiroshima-net.org

第14回広島市中区定期ミニ学習会

2017年03月02日(木)

第14回広島市中区定期ミニ学習会
日時:2017年3月2日 19:00~21:00
場所:まちづくり市民交流プラザ 研修室A
第14回「低線量被曝影響ーそのモデル②ECRR2010年勧告第9章をもとに」学習会レジュメ
第13回中区定期ミニ学習会 報告

2017年02月17日(金)

みなさま
日頃伊方原発広島裁判の活動をご支援いただき
まことにありがとうございます。

昨日、2月16日木曜日に開催した【第13回中区定期ミニ学習会】の報告です。
ご参加くださいました皆様、誠にありがとうございました。お疲れ様でした。
まちづくり市民交流プラザにて2時間の開催でした。

テーマは第10回から引き続き
「低線量被曝影響のメカニズムとモデル (ECRR2010年勧告第9章から)」
でした。

報告者の哲野さんは「ICRPの英語訳は難解で理解ができなかったが、ECRR報告は指摘・反論をするために、ICRP学説を解説していたおかげで理解ができた」とECRRにじっくり取り組む理由のひとつを説明しました。相手の言っている事を理解しないと、相手の言っている事の何処がどうおかしいのか指摘できません。
ICRP学説のひとつと、実証による研究を比べてみましょう。
ICRP学説は同じ線量なら、低線量を長期間にわたって被曝するよりも高線量を短期間で被曝する方が影響は大きいとする「線量・線量率効果(DDRE)」を主張しています。
1972年にペトカウ博士が発表した 「ペトカウ効果」はその逆で、低線量を長期間にわたって被曝する方が影響が大きい事を実証しています。
どういった実験かというと、水中の細胞膜に放射線照射し細胞膜が破裂する線量を計測するという実験です。1時間あたり15.5Gy(グレイ)の線量率で2時間半照射し続けると細胞膜は破裂しました。総被曝量は3500rad(ラド)でした。(1rad=100分の1Gy)偶然、大幅に低い1時間あたり0.61Gyの線量率で11時間半、照射し続けると細胞膜は破裂しました。その時の総被曝量は0.7radでした。総被曝量が僅かでも長期間連続で被曝し続けると細胞膜は破裂したのです。
ペトカウ効果はこうした実証のうえに成り立っていますが、ICRP学説はというと、依拠する研究はLSS(広島・長崎 被爆者寿命調査)です。調査開始時期が原爆投下から5年後であることや、内部被曝は外部被曝と同等の影響であることが前提の調査であることなど、被曝影響モデルの根拠にするのは相当でない調査です。その調査の上に仮説に仮説を重ねて導き出したのが「線量・線量率効果」です。
「線量・線量率効果」と「ペトカウ効果」どちらが信憑性があるでしょう?
そして、いま私たちの住む日本で採用されている放射線防護政策はICRP学説を基に作られている現状です。

▽第13回レジュメ
http://saiban.hiroshima-net.org/pdf/study/nakaku_13nd_20170216.pdf

過去の学習会レジュメ・資料は伊方原発運転差止広島裁判のウェブサイトの"参考資料"でご覧いただけます。
http://saiban.hiroshima-net.org/sanko_top.html

▼定期ミニ学習会開催情報
http://saiban.hiroshima-net.org/mini/


次回【第14回中区定期ミニ学習会】のご案内
日時:2017年3月2日(木)19:00~
場所:まちづくり市民交流プラザ 北棟5階 研修室A
テーマ:低線量被曝影響のメカニズムとモデル (ECRR2010年勧告第9章から)

第14回の会場は研修室Bです。ご注意ください。
開場は早くても19時5分前になります。開始までは会場前のロビーでお待ちください。

※事前申込不要 ※参加費・資料代無料
どなたでもご参加いただけます。
どうかふるってご参加頂くようお願いいたします。

- WebCalen -