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第16回中区定期ミニ学習会 報告

2017年04月28日(金)

昨日、開催した【第16回中区定期ミニ学習会】の報告です。
ご参加くださいました皆様、誠にありがとうございました。お疲れ様でした。まちづくり市民交流プラザにて2時間の開催でした。

「低線量被曝影響ーそのモデル② ECRR2010年勧告第9章をもとに」
前回の続き、第14回レジュメの15ページのスライド30の元素転換の話から始めました。
放射性核種の中には元素転換し別の原子に変わってしまうものがあり、そのなかでもトリチウムは水素の同位体であるため、体内ではトリチウムは水素と認識され、細胞を構成する一部としてとり込まれます。そして分子結合を担う役割を持っています。トリチウムはその状態のまま元素転換をしてヘリウムに変わります。すると、分子同士をつなぎ合わせる役割を果たさなくなり、その細胞は内部から壊れていくのです。
ECRRは、ICRPの勧告は元素転換のメカニズムを全く考慮しないで被曝影響を想定している、と指摘しています。

続いて「ゲノムの不安定性」について解説しました。
ゲノムとはDNAの中にある細胞の設計図のことを指します。ゲノムが不安定になるということは、細胞分裂して生まれる細胞に異常が出るということです。

さらにバイスタンダー効果。バイスタンダー効果とは、放射線を受け被曝した細胞と、すぐそばにある細胞が細胞間通信を行い、被曝した細胞の信号を受けた被曝していない細胞に異常が起こることを指します。そして直接被曝しなかった細胞も被曝した細胞と同様に異常が起こります。

さらに、これにゲノムの不安定性が加わると、細胞分裂した細胞に異常が増幅される場合も多いのです。それは細胞の何世代にも渡ってあらわれます。

このレジュメの最後に報告者の感想として「人間の細胞の玄妙不可思議さ」そして、まだまだ細胞には未知の部分が多いことを棚上げし、放射線防護体制の学説とその手順を構築するICRP派の学者の無知と傲慢さを感じる、と述べ結語としました。
詳しくはレジュメをご参照ください。

第14回配布レジュメ「低線量被曝影響ーそのモデル② ECRR2010年勧告第9章をもとに」


続いて、新たなテーマへと移ります。

「避難基準20mSvの根拠とICRP勧告」
どのように避難基準年間20mSvが導き出されたのか、の経緯を資料と共に検証していきます。

2011年3月11日東日本大震災が起こり、福島第一原発事故がおこりました。そして「原子力災害対策特別措置法」(以下:原災対策特措法)に基づき内閣総理大臣、(当時は菅直人)が緊急事態宣言を告示します。
その時の「原子力緊急事態宣言」が官邸のWEBサイトで閲覧できます。

参考資料・原子力緊急事態宣言文書

署名や告示時間なども記載もなく、文体も整っておらず、当時の官邸のあわてぶりが伺えます。
内閣総理大臣は原子力災害対策本部長に就任し、ほぼオールマイティの権限を持ちます。因みに、福島第一原発事故による原子力緊急事態宣言はまだ解除されていないので、今現在の内閣総理大臣である安倍晋三首相が現・原子力災害対策本部長です。
原子力災害対策本部長の権限のうち一部の権限を委任する文書(案)が残っています。

参考資料・原子力災害対策本部長の権限の一部の委任について

そして、避難指示が出すところにとって違い、統一されないという混乱が起きる日が続きました。風向きにより放射性物質はまばらに拡散し、距離に関係なく場所によって線量は違うため、福島原発からの距離では避難地域を特定できません。

そんな中、年間被曝線量20mSv以上と予測される地区に対して避難指示が出されました。
原災対策特措法に基づいて、原子力災害対策本部長によって年間20mSvの避難基準が出されたのです。
その指示は文書化されていないようです。

参考資料・年間20ミリシーベルトの基準について

この冊子の11ページの⑵、に
「〜ICRPの示す年間20mSv〜100mSvの範囲のうち最も厳しい値に相当する年間20mSvを避難指示の基準として採用しました。」
とあります。
20mSvの根拠は、ICRPの示す数字だとわかります。

そして注目すべきは5ページの⑴、に
「広島・長崎の原爆被爆者の疫学調査の結果からは、100mSv以下の被ばくによる発がんリスクは他の要因による影響によって隠れてしまうほど小さいとされています。」
とあります。この疫学調査とは何を指すのかというと「原爆被爆者寿命調査(LSS)」です。ミニ学習会や定例学習会で幾度なく解説されてきた、あのLSSです。いわずもがなですが、疫学調査としても欠陥があり、放射線影響を検証するには不十分であり、この調査の結論だけを見て放射線防護の参考にすることはあまりに危険と言わざるを得ない代物です。

報告者曰く、この冊子は被曝の知識がある人から見たらツッコミどころが満載です、とのことでした。
詳しくはレジュメをご参照ください。

第16回配布レジュメ「避難基準20mSvの根拠とICRP勧告」


次回は引き続き同じテーマで、より詳細に解説していく予定です。

過去の学習会レジュメ・資料は伊方原発運転差止広島裁判のウェブサイトの参考資料""でご覧いただけます。


報告者:哲野イサク(伊方原発広島裁判原告、Webジャーナリスト)
世話係進行係:重広麻緒(伊方原発広島裁判原告)
問い合わせ先:ミニ学習会係 mini-kkr@hiroshima-net.org

伊方原発広島裁判応援団事務局
saiban_office@hiroshima-net.org 
第16回広島市中区定期ミニ学習会

2017年04月27日(木)

第16回広島市定期ミニ学習会
日時:2017年4月27日19:00~21:00
場所:まちづくり市民交流プラザ 研修室A
※延期※第16回広島市中区定期ミニ学習会

2017年04月13日(木)

仮処分の即時抗告の日と重なってしまったため、延期いたします。

第16回広島市定期ミニ学習会
日時:2017年4月13日19:00~21:00
場所:まちづくり市民交流プラザ 研修室A

次回は翌々週の4月27日となります。
ご了承ください。

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