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第30回中区ミニ学習会 報告

2018年03月21日(水)

みなさま

伊方原発広島裁判応援団主催、3月15日第30回中区ミニ学習会のご報告です。
▼定期ミニ学習会開催情報
http://saiban.hiroshima-net.org/mini/

日時:2018年3月15日(木)19:00~約2時間 開場18:30
場所:ウェンディひと・まちプラザ
北棟 研修室C
テーマ:「トリチウムの危険その②-2 内部被曝中の内部被曝」
http://saiban.hiroshima-net.org/pdf/study/nakaku_30nd_20180315.pdf

前回は「トリチウムの危険その②」でしたが話が大いに盛り上がって(この盛り上がりや脱線が大事なのです)途中までしか進みませんでした。
今回はその途中からになります。

東電の福島第一原発事故後、トリチウムという水素の同位体で放射性物質が問題になりました。
原子力規制委員会は「薄めて流せばいい。自然界にも存在する」といっています。
伊方原発からも膨大なトリチウムが通常運転で瀬戸内海に放出され「人体に影響がないほど微量」と四国電力は言っています。
果たして本当にそうなのか?

原子力推進側が根拠としているのはICRP、国際放射線防護委員会の勧告になります。
(そのICRP勧告の元になるデータは広島・長崎原爆被爆者の寿命調査なのですが)
ではICRPはどういっているのか見てみよう、というところから始まります。

実はICRPもトリチウムの健康影響に関しては科学的ではなく推定に推定を重ねた仮説なのです。
実験科学に基づくものではありません。
推定の置き方も、かなり恣意的です。
まずトリチウムは
1.経口摂取か呼吸摂取により体内に入る
2.全て血液に入る
3.10日の半減期で体外に排出される
と仮定します。

トリチウムは水素の同位体です。
水素の挙動の大きな特徴、「平衡化現象」を全く考慮しないのです。

またICRPではOBT(有機結合型トリチウム)を一応取り上げています。
(原子力規制委員会などの原発推進派はOBTの影響に関しては全く無視しています。)

トリチウムがOBT化すれば、生物学的半減期が半減期が約1年と格段に延びることが動物実験などで確認されています。
しかも水素は分子結合を担う物質です。
細胞中の分子のなかの結合を担う水素に、同じ水素の同位体であるトリチウムがとって変わると、そこからβ線を放出するという「内部被曝中の内部被曝」状態になります。
しかもトリチウムは核崩壊していずれヘリウムに変わり、結合を担えなくなります。
これが「元素転換」による危険です。
トリチウムは他の放射性物質と違い、「内部被曝中の内部被曝」「元素転換」による細胞の分子レベルで健康被害を起こす特徴を持っています。

ICRPは「OBT化する場合は炭素と結びつくことが多い、だから炭素の生物学的半減期は40日だから40日で排出される」という言説を展開しています。
これも実験科学によらず、仮定を用いたものにすぎません。

ここで面白い研究が紹介されました。
ICRPの言うように、経口摂取でOBTがどれくらい体内に作られるかという研究です。
マウスを使った動物実験で、トリチウム化したミルクを継続的に与えました。
慢性内部被曝の再現です。
トリチウムの被曝が細胞のどこからもたらされているか、と計測しました。
肝臓だけを調べた研究では、DNAのなかに取り込まれたトリチウムは1~2週では1%~3%程度だったのが、14週では10%に上昇、41週では52%に劇的に上昇しているのです。
体内に残留したHTOやOBTが時間の経過とともに細胞の重要器官に使われ、体内の蓄積濃度が高くなっているのです。
他の研究では、OBTの生物学的半減期は長いもので450日や550日という研究結果も出ています。
ICRPの言うように生物学的半減期40日で常に排出されつづけるものではないことが証明されています。

トリチウムの研究は1970年代から80年代半ばまで、日本人の研究も含め、かなりのデータがでています。
アメリカやカナダでは70年代に入って言わなくなった「トリチウム無害論」が、日本では大手を振っているのです。

ここで、なぜだろう?とみんなで考えました。
原発にしても、核実験にしても、核施設から出る放射能にしても、環境中のトリチウム濃度が常に高い状態になるわけですから、平衡化現象に基づいた影響こそ考えねばならないはずです。
しかも実験科学に基づいた研究もたくさんでているのです。
そこでみんなはたと気がつきます。
「本当は無害じゃなくて有害だからじゃないか?」
「しかもトリチウムは他の放射性物質と違って、原発を動かすと必ず大量にでて、コスト的に取り除けないからじゃないか?」
「つまり、無害なものとして取り扱いたいから、じゃないか?」

最後に世界のトリチウムの飲料水濃度制限の数字をみました。
日本は1リットルあたり8000ベクレルと、非常に高い。
カナダの健康福祉省は7000ベクレルと高い。
しかし健康被害の起こったオンタリオ州では20ベクレルが推奨され実際有効化されている。
アメリカの環境保護局は740ベクレル。
しかしアメリカでも健康被害が起こった場所ではコロラド州で18ベクレル、カルフォルニア州で15ベクレル、になっています。
EUですら20ベクレルになっています。

こうしてみてみると、トリチウム無害論は、科学に基づくものではなく、非常に「政治的」で「宗教的」であることがわかってきました。

以上ご報告いたします。

なお、次回中区定期ミニ学習会は4月5日です。
テーマは現在原子力規制委員会で進行中の「放射線審議会」を取り上げる予定です。

報告者:哲野イサク(伊方原発広島裁判原告、Webジャーナリスト)
世話係進行係:重広麻緒(伊方原発広島裁判原告)
問い合わせ先:ミニ学習会係 mini-kkr@hiroshima-net.org


報告:網野沙羅

伊方原発広島裁判事務局
http://saiban.hiroshima-net.org
第30回中区定期ミニ学習会

2018年03月15日(木)

日時:2018年3月15日(木)19:00〜約2時間 開場18:30
場所:ウェンディひと・まちプラザ
北棟 研修室〈C〉
テーマ:「トリチウムの危険その②-2 内部被曝中の内部被曝」

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