被爆地ヒロシマが被曝を拒否する伊方原発運転差止広島裁判
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「ふるさと広島を守りたい」ヒロシマの被爆者と広島市民が、伊方原発からの放射能被曝を拒否し、広島地方裁判所に提訴しました

経過報告-2016年1月1日

愛媛新聞へ記事訂正のお願い


愛媛新聞へ記事訂正のお願いをしました
愛媛新聞より2015年12月25日に、代表原田二三子へ電話取材がありました。

翌日26日に新聞に掲載されましたが、一部私どもの言っていないことが掲載されましたので、以下のように記事訂正のお願いを2016年1月1日に投函し愛媛新聞にお送りしました。

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愛媛新聞へ記事訂正のお願い

 愛媛新聞 殿

 私ども、四国電力伊方原発3号機の再稼働を阻止する目的の活動「伊方原発広島裁判」に関心を抱いていただき、また2015年12月26日付け御紙社会面の記事として取り上げていただきまことにありがとうございました。

 記事全体は私どもの動きを正確に報道した内容ではありますが、ただ1点「事故が起こらなくても原発からは微量の放射性物質が放出され、環境や健康に被害がある」としてある箇所は訂正をお願いしたいと存じます。記事掲載後電話で記事訂正をお願いしました該当箇所の訂正を行う御意志がないことを確認しましたのでこのように文書で訂正をお願いすることにした次第です。

 私どもが、文書で訂正をお願いする理由は、当該箇所が御紙の見解や取材内容を伝えた部分ならばともかく、当該箇所は前後の文脈からして明らかに私どもの主張の一部として扱われており、私どもが提訴の根幹部分に係わる事実関係についてこのような誤ったことを申し上げる筈がありません。

 1.「微量」という表現の根拠をお尋ねしたところ、「放射性物質はどんなに微量でも生命と健康に害がある」という研究が根拠となっているとのお答えでした。この研究自体は誤りではないものの、「微量でも害があること」と「微量の放射能を放出していること」とは全く意味がことなることは明らかです。
 2.実際に四国電力伊方原発が通常営業運転中に環境に放出した放射性物質は、旧原子力安全基盤機構(現在は原子力規制委員会に統合)が発行していた原子力施設運転管理年報によれば、伊方原発が2003年度から2012年度の間、環境に放出した放射性希ガス(アルゴン41、クリプトン85、キセノン135など)は2兆388億ベクレル、ヨウ素131は190.6万ベクレル(ただし一部福島原発事故で放出されたヨウ素131を伊方原発で観測した部分を含む)、トリチウム516兆ベクレルなどが確認されています。これらは決して「微量」という表現は適切ではありません。特に放射性希ガスの検出限界値は1m3あたりに換算してみると2万ベクレルと非常に甘く、検出限界値未満(N.D.)で上記数字値に含まれないものを考慮すると、「微量」というより「大量」という表現が適切でしょう。(別に放出放射性物質の一覧表を添付いたします。同封「第74回伊方原発再稼働を止めよう!」チラシの4頁表1及び表2、5頁表3をご参照ください)
 3.特にトリチウムの放出量は膨大という表現が適切です。このトリチウムは伊方原発から瀬戸内海に放出されている放射能汚染水に含まれるトリチウム水(HTO)のことですが、このほかに排気筒から水蒸気の形で放出されるトリチウム(HTO)もこれと少なくとも同等以上の量が環境に放出されていることは確実です。
 4.これらトリチウム水(HTO)は、1年間にならしてみると優に50兆ベクレルを越えます。東電福島第一原発事故で、事故発生から最初の27カ月間に不可避的に太平洋に流れ出たトリチウム水の量を東電は最大40兆ベクレルと推測しています。もしこの推測が正しければ、12カ月ベースで比較してみて、伊方原発は福島原発事故で放出されたトリチウム水の2倍以上のトリチウムを半閉鎖水域である瀬戸内海に通常運転で流し続けていることになります。
 5.四国電力はこれらトリチウム水を、「人体に害のない程度の微量」と表現し、正当化していますが、これらが人体に害があるのかないのかは、トリチウムによる健康被害に関する医科学的、疫学的報告とあいまって現在国際的には大きな議論があるところです。また現実に福島原発事故処理に伴って発生している、トリチウム水の処理をめぐって大きな議論が発生している現状に鑑みても、日本の一電力会社にすぎない四国電力が「人体に害のない程度の微量」と表現するのは“科学的僭越”というべきでしょう。

 以上申し上げたように、当該箇所は私どもの主張の根幹をなす部分であり、御紙の見解として書かれるのならともかく、私どもの主張として書かれている以上、この書面で是非とも訂正をお願いするところです。

 なお末尾になりましたが、安全で健全な生活を第一と考える多くの市民のため、御紙において一層のご活躍を期待しております。

2016年1月1日
伊方原発広島裁判応援団 団長
「広島市民の生存権を守るために伊方原発再稼働に反対する1万人委員会」代表
原田二三子

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▽愛媛新聞2015年12月26日


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