被爆地ヒロシマが被曝を拒否する伊方原発運転差止広島裁判
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「ふるさと広島を守りたい」ヒロシマの被爆者と広島市民が、伊方原発からの放射能被曝を拒否し、広島地方裁判所に提訴します

(▼以下の内容は広島1万人委員会第74回チラシを転載しています。)

福島事故の放射能はいったん日本全体を包んだ


 さて話が変わるようですが、福島第一原発事故が起こったのは2011年3月11日でした。そして8月まで大量放出期が続きます。
 4頁表2でいえば、2010年度の最後の1カ月と2011年度のほぼ上半期に相当します。表欄外の「*1」にあるように、2010年度から2011年度では各原発でのきなみヨウ素131を検出していますが、これは福島事故の影響です。

ヨウ素



 北海道泊原発では、2010年度では、「N.D.」です。これは、2011年3月中には福島第一原発からのヨウ素131が到達しなかったということを意味しています。同様に九州電力川内原発も11年3月中にはヨウ素131が到達していません。
 2011年度にはいると泊原発では69万Bq、川内原発では16万Bqのヨウ素131を検出します。これは福島第一原発からのヨウ素131が北海道や、九州南部にまで到達した、ということを意味します。しかも検出限界値を超えて到達したということです。
 ヨウ素の半減期が8.0日(8頁表6参照)であることを考えると、初期に発生したヨウ素131が時間をかけて北海道や九州南部にまで到達したと考えるよりも、一定期間(恐らく事故直後から大量放出期が終了する2011年8月まで)放出し続けたヨウ素131を各原発施設排気筒の計測計が検出した、と考えるのが合理的でしょう。
 原発施設はたまたま、精度の高いヨウ素131計測計を備えていたので、検出したわけです。もし全国の主要地点に同様なヨウ素131計測計があれば、恐らくそれぞれ検出限界値以上のヨウ素131を検出したことでしょう。

 原子力施設運転管理年報の数値は前述のように、排気筒に設置された計測計で1cm3あたりの放射性物質濃度を検出し、原子炉内からの排気量に掛けて放出量を算出します、ですから2011年度川内原発の数値16万Bqもそうやって算出したはずです。ところがこの数値は無意味です。というのは、福島原発から到達して川内原発で計測されたヨウ素131は、排気筒から排出したのではないからです。
 福島第一原発からのヨウ素131は、1cm3あたりの濃度はわかっても、肝心の分母となる移動してきた大気量はわかりません。

 ここで重要なことは、福島第一原発からの放射能はいったん日本全国を掩ったということです。ヨウ素131が検出されたのはたまたま全国の原発が精度の高いヨウ素131計測計をもっていたからというに過ぎません。つまり原発施設が偶然に観測地点の役割を果たしたわけです。

 ヨウ素131だけが日本全国に拡散したと考えることは合理的ではありません。実際には8頁表6のような様々な核種が濃淡の差こそあれ、日本全国を掩ったと考えるのが合理的でしょう。

 これが私たち1万人委員会が、伊方原発の、伊方原発に限りません、全国の原発再稼働に反対する最大の理由です。これ以上環境に人工放射能を付加すべきではありません。というのは、日本政府や一部ICRP学説信奉者とは異なり、私たちヒロシマの人間は、人工放射能から発せられる電離放射線の、長期間にわたる低線量被曝の、特に低線量内部被曝の健康や生命に対する悲惨な影響を、理屈や理論でなく、直接の体験で知っているからなのです。

 広島原爆で拡散された放射性物質は、後でも見るように福島第一原発事故のような原発苛酷事故で拡散する放射性物質に比較すれば僅かなものでした。その僅かな放射性物質でも身内、親戚、友人・知人たちが長期にわたる低線量被曝で苦しんだり、なくなったりしてきたのを実際に見聞きしながら大きくなってきたのです。
 これ以上、環境に人工放射能を付け加えるべきではない、これが私たちの結論です。


*1京=1万兆
*1兆=1テラ(Tera)、1ペタ(Peta)=1000テラ、1エクサ(Exa)=1000ペタ
資料出典:旧原子力安全・保安院『東京電力福島第一原子力発電所の事故に係わる1号機、2号機及び3号機の炉心の状態に関する評価について』(2011年6月6日)なおこの資料は東電の5月23日及び24日報告を基に安全・保安院が評価したもの。東電は2011年10月20日に一部核種のデータの誤りを訂正したが、その訂正は上記表にすでに反映されている。




(▼以上の内容は広島1万人委員会第74回チラシを転載しています。)


「伊方原発運転差止を
ヒロシマから提訴」のトピック

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