被爆地ヒロシマが被曝を拒否する伊方原発運転差止広島裁判
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「ふるさと広島を守りたい」ヒロシマの被爆者と広島市民が、伊方原発からの放射能被曝を拒否し、広島地方裁判所に提訴しました


伊方原発広島裁判メールマガジン第3号 2016年3月29日


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伊方原発・広島裁判メールマガジン 第3号
2016年3月11日(金)KKR広島での報告会・交流会
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2016年3月29日(火)発行
編集長 :大歳
副編集長:重広
編集員 :綱﨑

前号での予告したとおり本号では、2016年3月11月(金)提訴・記者会見後の午後1時よりKKRホテル広島で行われた報告会・交流会でのやり取りを中心に報告します。
なお前号と内容的に重複している部分は省略しております。ご了承ください。

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今日の見出し
■弁護団への質疑
  ◇本質的な訴えか?科学技術論か?
  ◇日本はそもそも核使用を禁止していませんか?
  ◇運動には原発をとめる力がありますか?
  ◇原発再稼働の責任を持つのは誰なのか?
  ◇原発裁判と裁判所
  ◇日米原子力協定と日本の原発
■県外の方々から寄せられたメッセージの紹介
■原告団・応援団意見表明
  ◇藁をもつかみたい時に丸太が流れてきた。
  ◇『黒い雨』に打たれて
  ◇関西電力の戦略的姿勢
  ◇呉からの参加者
  ◇違いを認め合ってつながっていくことが大事
■参加者への質疑
  ◇なぜ温暖化対策課が?
  ◇月1万の慰謝料請求について
  ◇避難計画を反対運動に取り入れることができるか?
■編集部感想
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■弁護団への質疑

◇本質的な訴えか?科学技術論か?
哲野イサク(てつのいさく) 伊方原発広島裁判原告団事務局長:
「今までの原発裁判は科学技術論に偏っていた、私たちの生活実感からすれば
原発のために避難するなんておかしい、という原発自体が私たちの安心安全で暮らす権利を侵害している、という訴え方もできると思いますが、これからも基準地震動など科学技術論で訴えていくのかお聞かせください。」 

甫守一樹(ほもりかずき)  伊方原発広島裁判弁護団
              さくら共同法律事務所(第二東京弁護士会所属):
「弁護団の中でも分かれるところなんですが、私はどっちも大事だと思います。
事故が起こる可能性が低いなら許容するのか、事故が起こる可能性があるなら許容できないのか、それを法律論に当てはめて判断するとどうなのか、その時に裁判官に事故の起こる可能性を実感できるように訴えていきたいです。
そして科学技術論は必ず、四国電力が用いてきます。電力会社の訴えは科学的根拠があってもっともらしく聞こえますが、その科学的根拠をよくよく検証していくとおかしい所が沢山ある、そこは指摘していきます。
(過去の)伊方原発裁判最高裁判決の中でも、現在の科学技術水準に基づいて、技術確立の進化の過程に欠陥があったのではないかという問題がありますから、科学技術論争抜きには出来ないと思います。
ですから、私の答えは両方大事、ということになります。」

能勢顯男(のせあきお)  伊方原発広島裁判弁護団
             能勢顯男法律事務所(広島弁護士会所属):
「わたくし34年間裁判官を務めておりました。
このテーマを裁判官の目から見たらどうか、という点について少し申し上げます。
裁判官は社会的に注目を集める事件をどう判断するべきかとても悩みます。重要な事件に白黒つけろと迫られているわけですから、自分がどうしてこの判断をしたのか説明できるくらいに裁判官自身が納得しなければならない。
さっき説明があったように科学技術論争は避けられません。我々は原発がいかに危険であり、住民の人格権を侵害しているかを立証しなければなりませんが、それは逆に電力会社側は原発の安全を立証してみせなければならないという理屈にも成り得ます。設置する側が安全を立証できなければ、やはり危険なものなんだと見られても仕方ない。
原則、裁判の便宜上、訴える側が立証をしなければならないんですが、それを逆転させてこの理論展開を裁判所が認めたならば、我々が事細かに技術論で指摘せずとも、電力会社が原発の安全を立証した内容に対して我々が、それは信用できるものなのか、と反証することができます。大津の結果を見習い論理構成しようと思います。」

河合弘之(かわいひろゆき)  伊方原発広島裁判弁護団
               さくら共同法律事務所(第二東京弁護士会所属)
               *脱原発弁護団全国連絡会 共同代表:
「甫守弁護士はね、原発専従弁護士なの他の事件はやらない。相手側はね専属の原発裁判弁護士が沢山いるからね、対抗してうちも専門の弁護士を育てようと思って僕が仙台からスカウトしてきたの。」

甫守弁護士:
「うちの小さい息子は僕のことを地震の仕事をしている人だと思ってます。実際に、原発自体よりも火山や地震のことを勉強していますね。」

河合弁護士:
「あまり細かい科学技術論争は避けるべきだと思う。電力会社には専門の偉い弁護士がいますから、最もらしいことを言って煙に巻くんです。大掴みのところを主張するのがいい。実際、我々が勝った裁判はあんまり細かい技術論争をしないところで勝ってきた。
基準地震動にしても、設定の妥当性云々よりも実際に10年の間に基準地震動5回も超えた地震が起こっている。そんな基準地震動自体が信用できない。論より証拠で訴えていくという論理。裁判官だって難しい・ややこしいことは避けたいし分かり難い。客観的に見てもそうでしょう。
本質を掴んだ訴え方をしていきたい。」

◇日本はそもそも核使用を禁止していませんか?
西本喜治(にしもとよしじ)さん 原告団:
「原発だって核を使用してますよね?政府は核利用の法的な根拠をどこに置いているんでしょうか?」

河合弁護士:
「原子力基本法の中で核の平和利用を進めると書いてあります。ですから法的根拠はあるんです。
4年前に原子力基本法の改正運動をしたこともあります。そもそもこの法律があるから原発は認められているんです。
でもだからと言って、原発が人格権を侵害しているとなればそれは許されませんよ。ですから訴訟にはあまり関係ありません。」

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ここで河合弁護士は東京に戻るため退室されます。その場にいた全員に激励の言葉をいただきました。
「この広島裁判は注目されています。同志のみんなが応援しています。全国の仲間と手を携えてこの裁判を戦っていきます。宜しくお願いします。」
会場の皆さんの拍手でお見送りしました。
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◇運動には原発をとめる力がありますか?
阿部純子(あべじゅんこ)さん 原告団:
「松山から参りました。この裁判とは関係ない質問かもしれませんが、井戸川克隆・福島県双葉町元町長の勧めで、2年くらい前に避難拒否宣言という内容証明を伊方町、八幡浜市、愛媛県、それから総理大臣、経産大臣に13名の市民で提出しました。
こういった運動は原発をとめる力になりますか?」

胡田敢(えびすだかん)  伊方原発広島裁判弁護団
             胡田法律事務所(広島弁護士会所属):
「結論から申し上げると、あります。上関原発建設の計画から40年経っていますが、未だに上関原発は建っていません。それは現地の住民の方の反対運動があったからです。それがなければ原発は建てられて稼働していたでしょう。
私は上関原発の裁判に携わっていました。そして能勢弁護士も関わっていました、裁判官として。
運動の力抜きに裁判は勝てないと思っています。いろんな反対の意思表明の仕方はあると思います。そういった運動も大事ですね。」

◇原発再稼働の責任を持つのは誰なのか?
上山耕平(うえやまこうへい) 応援団事務局:
「もしも伊方原発で福島第一原発のようにメルトダウンが起きた時、誰が責任を取るんですか?誰が責任を持って事故を鎮圧し、賠償は誰がするのですか?」

能勢弁護士:
「事故を収束させるのも、賠償をするのも四国電力です。しかし四国電力は株式会社で民間企業なのです。
電力会社は国に規制されて事業をしています。事故が起きた時、規制している行政側にも責任はあると、訴訟も起きています。しかし、あくまでも一民間企業ですから、もしかしたら国はそこまでの責任はないと言うかもしれない。
原発は国策として進められていますが事業は民間が行っているということ自体に問題があると思います。」

甫守弁護士:
「福島第一原発事故の例で言えば、東京電力の株主、保安院の役員は刑事責任を問われています。それから東電と国に対して損害賠償請求をしています。
四国電力は東京電力に比べて経理的基礎は脆弱なので、今、東電が国から援助されているように、もし伊方で事故が起これば同じように国が援助することになるでしょう。
そうなった時に果たして国家体制が持つのかどうかという問題があります。
そこで原子力賠償を有限一定化しようという法律が出来つつあります。今までは認定されれば賠償責任を果たさなければならなかったのが、一定を超えたら切ってしまおうという有害な法律です。
そして責任ということに関しましては、小出裕章さんが”騙されたあなたにも責任がある”という本を書いてますけど、つまり我々が原子力事故を起こせば世界中に迷惑をかけます。反対していたとしても止められなかった責任があるということです。法律的にではなく責任として、ですね。国民一人一人にあると思います。
ですから責任を果たすためにも私はこの仕事をしていきたいと思っていますし、この裁判を起こした皆さんもそう思うところがあるのではないかなと思っています。」

胡田弁護士:
「国が賠償するということは、元は税金なんです。どっちにしろひどい話なんですよ。だから原発なんてないほうがいいですよね。」

◇原発裁判と裁判所
北束由美(きたづかゆみ)さん 原告団:
「全国で起きている原発裁判では、人格権や原発は安全か否か、を軸に論争してきているんですよね?
負けた裁判では、裁判所は“人格権は守られていて原発は安全だ”と判断したということですか?」

甫守弁護士:
 「(きっぱり)そうです!!」

能勢弁護士:
「いろんな裁判官がいますからね。原則、法律に即して判断をするのですが、法律は全てを事細かには書かれていません。
書かれていない部分を埋めるための裁量が必要です。事実認定の違いもあるでしょう。
こういった裁判は社会的に注目を集めますから裁判官にとってはプレッシャーになります。その裁判官の価値観によって左右される場合があるでしょうね。」

哲野:
「社会的に注目を集めるというのは”世論”ということですか?」

能勢弁護士:
「そうです。世論に影響されます。現に福島第一原発事故が起こってから裁判所の態度は大きく変わりましたね。」

胡田弁護士:
「補足しますと、能勢弁護士のおっしゃてることを否定するわけではありませんが、95~96%の裁判官が一番気にするのは最高裁です。
福井地裁の樋口裁判長の決定は個人の資質にも基づいて出されたものだと聞いております。
大津地裁で高浜原発運転差止決定をだした山本裁判長は、実は上関原発裁判で私を負かした裁判官です。
ごく一般的な、どちらかといえば体制側だった山本裁判長がこの決定をだしたという事実は他の裁判官に良い影響を与えるのではないかと思っています。」

◇日米原子力協定と日本の原発
岡本法治(おかもとほうじ)さん 原告団:
「日米原子力協定は原発再稼働問題に関わってきますか?」

甫守弁護士:
「脱原発弁護団共同連絡会の共通見解として、全く関係ないと申し上げます。アメリカは日本の原子力発電所の再稼働にまで関与することはないです。それは核兵器に関するものですから原発には当てはまりません。」

■県外の方々から寄せられたメッセージの紹介
提訴日当日、出席することができなかった県外の方々からもたくさんのメッセージが届きました。その一部をご紹介いたします。

愛媛県・斉間淳子さんからのメッセージ
http://saiban.hiroshima-net.org/pdf/20160311_07saima.pdf
東京都・上田紘治さん(被爆者)からのメッセージ
http://saiban.hiroshima-net.org/pdf/20160311_04ueda.pdf
福井県・嶋田千恵子さんからのメッセージ
http://saiban.hiroshima-net.org/pdf/20160311_05shimada.pdf
香川県・尾崎憲正さんからのメッセージ
http://saiban.hiroshima-net.org/pdf/20160311_06ozaki.pdf

■原告団・応援団意見表明

◇藁をもつかみたい時に丸太が流れてきた
阿部純子さんからは、立地自治体である八幡浜市や伊方町のなかでも、比較的原発の話をすることができていた人でさえ、再稼働を目前にすると口をつぐんでしまうといった立地自治体内部の厳しい現実を告白し、「(この提訴は)藁をも掴みたいところに、丸太が流れてきた」という、私たち事務局員からすると身に余るような表現でこの提訴を歓迎してくれました。
阿部さんは交流会の後も事務局に訪問してくれて、愛媛の運動の実情や問題点を説明してくれました。阿部さんにはこの場を借りて感謝申し上げます。

◇『黒い雨』に打たれて
原告の元広島市議の田尾健一(たおけんいち)さんからは、2歳のとき広島市西区観音で被爆を受け、逃げる途中で『黒い雨』にうたれたせいで、頭髪が抜け、1ヶ月下痢が止まらなかったこと、また松井現広島市長に平和宣言で「原発をやめるように」発言する提言を行ったが、「原子力政策は国が決めること」ということで明言を避けていることなどの説明がありました。

◇関西電力の戦略的姿勢
福井県から来てくれた松田正さんからは樋口裁判長からあの有名な樋口判決を勝ち取った仮処分にまつわる興味深い話がありました。
これらは関西電力がとった裁判に対する戦略的姿勢に関するものでした。以下に要点をまとめます。
 ・関西電力は再稼働を急ぎながらも運転してから差止されないよう、裁判の流れを見ながら再稼働を遅らせていた。
 ・樋口裁判長の任期が来て転勤になるのを待っていた。
 ・大会社が通常取ることがない手法である、裁判長の罷免の申し立てを行った。
松田さんからは最後に、「福井の裁判が終わったので、広島の裁判に全面的に応援する」という心強い表明がありました。

◇呉からの参加者
休憩を挟んで、原告団・応援団に入っていただいた方からの意見交換がありました。このなかで呉市から2組の方々がご参加され、発表をいただきました。
はじめの方は男性で、この裁判のリーフレットを置いている呉のハンバーガー店で、この裁判を知り、交流会に駆けつけてくださいました。そして、呉という街がかつての軍都であり、今でも閉鎖的な場所であること、そして、瀬戸内の魚が好きで、その瀬戸内に原発があることを憂いているとの意見をいただきました。
身内の話で恐縮ですが、このハンバーガー店とは、この裁判で本訴と同時に行う仮処分の申立人3人のうちの一人であり、本メルマガの編集員の一人でもある綱?が店長を勤める店のことです。このリーフレットを自衛隊や某原子炉メーカーがすぐ近くにあるハンバーガー店に置くということを敢えてしていたのですが、まさかそれを手に取った方からの参加があるとは私たちも予想していなかったので大変驚きました。
また私事ついでですが、呉はこの記事を書いている私、大歳の生まれ故郷であり、参加者の男性からの発言のとおり、かなり保守的な土地柄ですが、同時に倉橋・鎌苅という名所もあり、実は釣り人口が多い土地でもあります。その土地から、魚が好きでその瀬戸内に原発があるのはいかがなものか、とわざわざ交流会にまで来てくださる方がいたことにまことに感激しました。
そしてもうひと組はご夫婦でご参加された方で、男性の方はなんと元電力会社の方でした。福島の事故後に南相馬などにボランティアで入られた経験があり、「電力会社には事故があったら命懸けで現場に入らねばならないと考える社員は多いが、次世代への責任として危ないものは危ないと言わなければならない。」との意見表明をいただきました。
私はこの2組の参加者の発言を聞き、意外と呉からアクションが起きてくるかもしれないと感じました。

◇違いを認め合ってつながっていくことが大事
廿日市市吉和から参加の等々力隆広(とどりきたかひろ)さんは、「(自分は福島事故の避難者で)縁あって現在は吉和に住んでいるが、中国山地には放射能の汚染マップでは最低レベルの一つ上のレベルのエリアがあり、吉和がそうである」という説明がありました。また、同じ境遇である避難者同士でもちょっとした温度差から断絶がはじまるという悲惨な経験から「運動は小異を捨てて大同に立つということで最初は盛り上がるが、違いを認め合ってつながっていくことが大事」という意見表明がありました。
この提訴に先立って2016年2月28日に原告団結成集会が開かれましたが、この時は参加者から「放射能や被爆を語る人間が疎外されている状況がある」という報告がありました。疎外や断絶といった現象は見えにくくとも確実にあります。この裁判が単なる裁判闘争ではなく市民運動としても成功するためには、このように裁判の争点以外にも問題とすべき問題が数多くあり、そのことを多くの市民で語り合う機会をいかにして築き上げていくかが重要なポイントになると感じております。

■参加者の相互質疑
最後に、参加者同士の質疑がありました。いくつかご紹介します。

◇なぜ温暖化対策課が?
堀江壮・原告団長:
「広島市に原発の話をするために行くと温暖化対策課が対応してくれるのですが、なぜ温暖化対策課なのでしょう?」
田尾元市議:
「環境対策ということで過去のいろいろな経緯からそこが管轄となっていると思うのですが、なぜと言われるとなんとも・・・(苦笑)」

◇月1万の慰謝料請求について
哲野:
「原告側に月1万の慰謝料請求ということになっていますが、過去にこういう慰謝料請求した例はあるのですか?これは誰の悪知恵でしょう?」
甫守弁護士:
「少なくとも大間原発と玄海原発で同様の請求を行っていますが、誰の悪知恵かと言われるとおそらくKのつく弁護士(注)だと思います。」
 (注)Kのつく弁護士といえば、河合弁護士か鹿島弁護士ですが、おそらくは河合弁護士

◇避難計画を反対運動に取り入れることができるか?
阿部:
「避難計画や地元同意の点を反対運動に取り入れていこうと考えていますが、なにかいいアイデアはありますか?」

哲野:
「直接的な回答になるかどうかはわかりませんが、例えば東北原発管内の女川原発のある美里町は避難計画に“この避難計画は女川原発の再稼働を容認するものではありません(注)”という文言を加えています。それぞれの自治体がそれぞれいい知恵を絞っていますから、いい回答になったかどうかわかりませんがご案内させていただきます。」
(注)美里町『原子力災害対策編:第1節(計画の目的)』より
https://www.city.sasayama.hyogo.jp/pc/group/bousai/assets/2013/03/sankou-siryo.pdf
甫守弁護士
「仙台にいた時の私の上司がとっていた戦略なのですが、原発に近い自治体は基本的に原発の稼働に賛成の立場を取ります。しかしそこを離れていくと原発に反対する自治体は多くなります。その首長を集めて、知事に“これだけの首長が反対しているよ”とやれば、知事も同意しにくくなるということはあります。」

最後に堀江団長から「協力してくれた方々への笑顔と感謝を忘れずに」という閉会の挨拶で、交流会も盛会のうち終了しました。

■編集部感想
提訴後の報告会では活発な質疑応答があり、裁判の知識が深まりました。交流会ではいろんな立場からこの裁判に関わっている方の意見が聞けて、とても有意義な会になったと思います。
特に避難者である等々力さんのお話を聞いて思ったことは、福島原発事故の被害者は皆なんだ、と。
大げさに言えば、福島原発事故由来の放射能は世界を一周したのだから人類皆なのだと。被害者であると同時に、知らなかったとはいえ、その危険を見過ごしてきて事故を引き起こしてしまった加害者でもあるのだと、改めて感じました。
フクシマは広島でも起こりえたのです。他人事なんかではない、被害者としても加害者としても。
裁判となると別世界の話のように感じていましたが、当事者としてこの裁判に関わっているんだと、気持ちが引き締まる思いがしました。
(重広)

私は今限られた時間ですが、賛同の輪を広げることに傾注しています。
「直ちに影響はない」とはよく言ったもので、いいことも悪いこともすぐにはなかなか結果になりません。
一方で工事計画変更認可など、状況は刻々と変化しています。
それでも変わらないもの、放射線の危険性や私達の権利が、伊方原発を再稼働させない根拠です。
楽観はしていませんが希望を持って、この根拠を知らせていきましょう。
(綱﨑)

脱原発の勉強会や会合に行くと、しばしば原子力基本法や日米原子力協定の話が出てきて「日本はこうしたもののせいで独自に脱原発できない」という趣旨の発言が出てきます。
しかし甫守弁護士の説明にもあるように、市民が裁判で差止を勝ち取った個別の原発を、再び動かせるような強制力は同基本法にも同協定にもありませんから、ご安心ください。
ただ、裁判がもつれたときに最高裁で統治行為論(高度な政治性を有する案件にたいして裁判所は判断しない)を持ち出される可能性は多少あるかもしれません。
(大歳)
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伊方原発運転差止広島裁判
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