被爆地ヒロシマが被曝を拒否する伊方原発運転差止広島裁判
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「ふるさと広島を守りたい」ヒロシマの被爆者と広島市民が、伊方原発からの放射能被曝を拒否し、広島地方裁判所に提訴しました

伊方原発運転阻止瀬戸内包囲網マップ

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伊方原発運転阻止瀬戸内包囲網マップ解説


『伊方原発運転阻止包囲網マップ』についてご説明します。
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4か所での裁判

四国電力伊方原発を包囲して、現在4つの原告団が、伊方原発運転差止を求めています。2011年12月8日、3・11後最初に伊方原発運転差止を求めて松山地裁に本案訴訟(以下本訴)を提訴したのは、地元愛媛県を中心とする原告団(以下松山原告団)です。
その後、2016年3月11日に、私たち広島県を中心とする原告団が広島地裁に提訴しました。この時私たち原告団は本訴とともに仮処分の申立を行いました。勝てば直ちに伊方3号炉を止められる仮処分を提訴したのは私たちが最初でした。
この動きを見て、2016年5月31日に「松山原告団」が松山地裁に仮処分の申立を行いました。
続いて、「100km圏の広島が提訴したのに、60km圏の大分が黙って見ているわけにはいかない」と、16年6月28日に大分県の原告団(以下大分原告団)が大分地裁に仮処分の申立を行いました。そして大分原告団は16年9月28日に大分地裁に本訴にも踏み切ったのです。
これを見ていた山口の原告団(以下山口原告団)は「中国電力上関原発の建設阻止で戦ってきたのに、現に瀬戸内海で稼働している伊方原発を阻止しないのは筋が通らない」と、17年3月3日に山口地裁岩国支部に仮処分の申立を行いました。(なお山口原告団は12月27日山口地裁岩国支部に本訴を提訴しています)
こうして意図せず「伊方原発包囲網」がその姿を現していったのです。その特徴は、それぞれの地域の立場で、自分たちの生活空間を守ろうとした点にあります。

広島高裁決定へ

17年3月30日、広島地裁は伊方3号炉運転差止仮処分却下の決定を出しました(吉岡茂之裁判長、久保田寛也裁判官、田中佐和子裁判官)。続いて同年7月21日には、松山地裁が伊方3号炉運転差止仮処分却下の決定を出しました(久保井恵子裁判長、百瀬玲裁判官、酒本雄一裁判官)。「却下」の決定が続きました。私たち広島原告団は17年4月13日に、地裁却下決定を不服として広島高裁に即時抗告、松山原告団は8月4日に高松高裁にやはり即時抗告を行い、ともに諦めない姿勢を鮮明にしました。
そして17年12月13日、広島高裁は18年9月30日までという期限付きながら、伊方3号炉運転差止を命ずる決定を下しました。(野々上友之裁判長、太田雅也裁判官、山本正道裁判官)。高裁が原発を止める日本初のケースとなるとともに四国電力や日本の原発推進勢力に大打撃を与えることになりました。

一層激しさを増す戦い

一方、四国電力は、17年12月21日、広島高裁に保全異議申立と執行停止を申し立て、執行停止申立は18年3月22日に「理由なし」としてすでに却下されています(三木昌之裁判長)。
残るは保全異議申立です。異議が認められれば四国電力は直ちに伊方3号炉を運転できます。異議申立を受けて、広島高裁は4月23日に異議審の審尋期日を開きました。審尋期日はこの1回で終結する可能性も想定されましたが、7月4日に2回目の審尋が行われることが決まりました。しかしこの異議申立に広島原告団が勝利したとしても、18年9月30日がくれば、四国電力は伊方3号炉を運転することができます。
このため、異議審の動向を睨みながら、広島原告団は18年5月18日、伊方原発3号炉運転差止期限延長を狙って、新たな仮処分を広島地裁に提訴しました(新仮処分提訴)。四国電力とのせめぎ合いは一層激しさを増しています。

包囲網と伊方3号炉

もし9月30日以前に、広島高裁が四国電力の異議申立を認める決定を出せば、四国電力はその時点で伊方原発3号炉を運転することができます。四国電力による異議審、広島原告団による新仮処分の動向は、期限の9月30日を巡って複雑な様相を呈し始めました。
そうこうするうちに、2018年5月24日に結審した大分地裁の仮処分事件は、同日佐藤重憲裁判長が「9月中に決定を出す」と明言しました。広島高裁決定の期限を睨んだ発言であることは明らかでしょう。
また松山原告団が戦う高松高裁抗告審は、7月18日第4回審尋が行われこの日で結審する見込みです。9月中に決定が出る可能性があります。(山口地裁岩国支部の山口裁判は9月28日に第8回審尋が行われ結審する見込み)

大分地裁、高松高裁のうちどれか一つの仮処分で伊方3号炉運転差止の決定が下されれば、広島高裁・広島地裁の決定如何にかかわらず、その時点で伊方3号炉は運転できなくなります。四国電力が同炉を運転し続けるためには、山口裁判を含め、すべての裁判で勝ち続ける必要があります。四国電力の「訴訟リスク」は極めて大きいと言わざるを得ません。伊方原発運転差止を求めて、周辺のいくつもの地域の住民が立ち上がって裁判を起こしていることの意味がここにあります。

南海トラフや中央構造線活断層帯を震源とする巨大地震や、巨大噴火の火山灰・火砕流、あるいはその他の自然災害や人災を引き金として重大事故が発生する可能性は決して小さくありません。そうした破局の訪れる前に裁判によって伊方原発を終焉させることができるかどうか、今が正念場かもしれません。
また、日本中の原発が、ひとつひとつ、それぞれの周辺地域の裁判包囲網でぐるりと取り囲まれたら、と想像してみてください。ずいぶん胸躍る風景ではありませんか。「伊方原発包囲網」は、日本の原発の息の根を止める新たな一つのスタイルの誕生なのかも知れません。

2018年6月3日
伊方原発広島裁判原告団


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