「ふるさと広島を守りたい」ヒロシマの被爆者と広島市民が、伊方原発からの放射能被曝を拒否し、広島地方裁判所に提訴しました
※「原子力災害対策指針」は、「原子力施設から概ね30km」を目安として「緊急時防護措置を準備する区域(UPZ)」を定めています。
原子力規制庁2012年10月の「放射性物質の拡散シミュレーションの試算結果について」は、各原発について「東京電力福島第一原子力発電所の事故と同程度のシビアアクシデントをベースとして」放射性物質の拡散シミュレーションを行い、(柏崎刈羽原発以外の)各原発の「最初の7日間の実効線量が100mSv」を越える距離が概ね30km以内に収まっている、と説明しています。そして「最初の7日間の実効線量が100mSv」を「UPZの基準」としています。「原子力災害対策指針」において原発から概ね30km圏内をUPZとする根拠となっているのは、福島原発事故並みの放射性物質の拡散シミュレーションです。
ところが、原子力規制委員会2014年5月28日の「緊急時の被ばく線量及び防護措置の効果の試算について」では、「セシウム137が100テラベクレル、その他核種がセシウム137と同じ割合で換算された量、希ガス類が全量」環境中に放出される事故を想定し(「なお、本試算はこれ以上の規模の事故が起こらないことを意味しているものではない」とご丁寧に但し書きが付いています)、その試算結果から得られる「示唆」として、「UPZにおける防護措置」としては「予防的に屋内退避を行うことが合理的」などとしています。この文書の目的は、「関係自治体において地域防災計画の策定等が進められている」が「関係自治体において、リスクに応じた合理的な準備や対応を行うための参考としていただくこと」であるとしています。現在、原発から概ね30km圏内の自治体が実際に作成している避難計画は、このような福島原発事故の100分の1レベルの事故の想定を参考として作成されていると考えられます。
起こり得る原発事故を考えると「福島原発事故並み」がそもそも過小評価であるにもかかわらず、「避難計画」はさらにその100分の1の過小評価に基づいているということになります。