被爆地ヒロシマが被曝を拒否する伊方原発運転差止広島裁判
お問い合わせ

「ふるさと広島を守りたい」ヒロシマの被爆者と広島市民が、伊方原発からの放射能被曝を拒否し、広島地方裁判所に提訴しました


第23回口頭弁論期日 2021年6月2日

期日報告

新型コロナ緊急事態宣言下の期日取り組み

 2020年3月11日に申し立てた伊方原発3号機運転差止事件本訴第23回口頭弁論期日が、6月2日(水)広島地方裁判所で開かれました。
 原告団は今回期日のテーマを「内部被曝中の内部被曝 トリチウムの危険」と定め、準備を行ってきましたが、コロナ禍で広島市などへの緊急事態宣言中とあって、恒例の裁判所乗込行進、期日後の記者会見・報告会は行わないことになりました。
 口頭弁論期日出席原告や代理人弁護士、支援者のみなさんが、午後1時30分頃から裁判所前の歩道に集合、期日記録写真撮影を行いました。



 撮影後、午後2時からの進行協議会場へ向かう参加者と、傍聴券抽選会場へ向かう参加者と二手に分かれて裁判所に入りました。

進行協議


 進行協議は、午後2時きっかりに303号法廷で開始、冒頭大森直哉裁判長は、今回期日は左陪席塚本友樹裁判官が、「差し支え」のため、急きょ財賀理行裁判官(民事第2部)に交代していることを告げました。(右陪席は大嶺崇裁判官)

 進行協議は双方提出書面の確認からはじまりました。

 原告側は、準備書面(35)<基準地震動―「震源を特定して策定する地震動、地震規模予測のばらつきについて」>及び(36)<基準地震動―「震源を特定して策定する地震動、被告準備書面(21)に対する反論、プレート間地震」>の2点と関連する証拠書面(甲号証)の提出を確認。
 一方被告側は、準備書面(23)(「火山問題」原告準備書面(34)に対する反論)及び準備書面(24)(「原発の安全性問題」原告準備書面(33)に対する反論)2点と関連する証拠書面(乙号証)の提出を確認。

 次回期日(8月30日第24回口頭弁論期日)までにどのような書面を準備するかという裁判長の質問に対して、原告側弁護団は、「基準地震動問題についてだが、従来主張とは視点を変えて、基準地震動650ガルが、現実に日本で発生している地震動に比較してあまりに過小評価であることを主張する準備書面を提出する予定だ。これは本件と同時進行中の仮処分事件(広島新規仮処分事件)でも主意的主張として提出している問題で、被告(四国電力)もよく把握していると思う。」と述べました。

 これに対して被告側代理人弁護士は、「ええ、まぁ、把握していると思う。」と応じました。

 裁判長の「分量はどの位になるか?」との質問に対して原告弁護団は、「結構な分量になると思うが、科学技術論争にはしないつもりなので、わかりやすく、きっと読みやすいと思う。」と応じました。

 続いて、「「沿岸活断層問題」についても本来この期日に提出する予定だったが間に合わなかったので、次回期日には必ず提出する。また「1号機・2号機問題」(被告準備書面(22)―「1号機・2号機については廃止措置が決定しているので、原告側の賠償請求については理由がない、との主張」)については反論する予定だが、現在コロナ禍であり、専門家との協議がうまく進んでいない。従って次回期日に間に合わないと思う。しかし確実に提出する。」と述べました。

 一方被告側が、今回原告提出の準備書面(35)については次回までに必ず反論する、と答えました。また原告準備書面(36)については、次回期日に反論は時間がないため難しかろうが、次々回期日までに必ず反論する、と答えました。


 大森裁判長は、原告提出の意見書(2021年4月27日付け)について触れ、
「意見書を出してもらっているが、現地(伊方原発現地)での進行協議が必要かどうか、今後の審理の深まり方をみながら、時期が来れば検討していきたい。」
 と述べました。

 原告提出意見書は、「設備の安全性の判断については、「百聞は一見にしかず」で現地を目視することが必要であることは明らか。期日は民事訴訟法規則97条に定める進行協議期日として開催するのが相当。」とするもので、要するに書面だけで判断するのではなく、現地を実際に見て判断して欲しいとする内容です。

 これに対して被告代理人は、「裁判所に現地にきてもらってみてもらう、ということになると、現場には大変な負担がかかる。また来てもらってもすべてみてもらう、というわけにもいかない。特に対テロ特重施設は秘密保持の観点から見てもらうことは難しいし、原子炉格納容器の下部(キャビティ)を実際にみてもらうことになると、それはその時の都合による。書面だけで十分判断できると思う。」と述べました。

 これに対して原告弁護人は「ということは、都合によればキャビティをみることもできる、ということか?」と尋ね、被告弁護人は「ええ、まぁ、その時の状況による。」と答えました。

 明らかに四国電力は、裁判所による現地視察には消極的ですが、私たち原告団も、裁判所に対しては判断を下す前に、ぜひ一度現地を見ておいて欲しい、と強く思います。

 それから、次々回期日の日程調整に入り、第25口頭弁論期日を11月10日(水)、進行協議を午後2時から、口頭弁論を午後2時30分から、と決めて進行協議を終了しました。

口頭弁論

 口頭弁論は午後2時30分から、302号法廷で開かれました。傍聴席は本来60席ですが、コロナ禍対応の席配置で、約10名の報道陣を除いた傍聴席は約20席でほぼ満席となりました。

 口頭弁論の進行は、ほぼ進行協議の内容に沿ったもので、左陪席の臨時交代、双方提出書面の確認、次回期日提出書面の確認などで、約10分で終了しました。

伊方原発広島裁判事務局

御案内チラシ(クリックするとPDFでご覧頂けます)




ページのトップへ戻る