被爆地ヒロシマが被曝を拒否する伊方原発運転差止広島裁判
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「ふるさと広島を守りたい」ヒロシマの被爆者と広島市民が、伊方原発からの放射能被曝を拒否し、広島地方裁判所に提訴しました


原告団が5人の原子力規制委員に申し入れ


2020年5月12日(広島)

 伊方原発広島裁判原告団は、5月11日、新型コロナ感染拡大事態に関連して、原子力規制委員会の5人の委員に対して申し入れ書を送った。
 原告団は、申し入れ書(本リリースに添付)の中で、現在運転中の原子力発電所の運転停止を命ずるように求め、新型コロナ感染拡大事態のようなパンデミック事態では、原子力災害対策指針で示すような、原子力緊急事態に伴う「住民避難」は、機能しないと指摘している。
 そしてさらに、「住民避難」は、新規制基準の骨格をなす「5層の深層防護」の第5層の防護手段と位置づけられている、「住民避難」については有効性審査の仕組みが存在していないので、規制上第5層の防護手段は存在していない、などとする批判はあるものの、今回のパンデミック事態で明らかになったことは、形だけにせよ原子力緊急事態に際して指示される「住民避難」は全く機能しないことである、原子力災害対策指針もパンデミック事態を全く想定していない、と指摘。
 このことは、福島原発事故以降促成栽培で策定された、原子力規制法体系に不備・欠落があることを意味しており、より根本的には、パンデミック事態を想定して、原子力規制法体系、規制基準、原子力災害対策指針などを再構築することであるが、今さらに重要なことは、原子力規制委員会として、緊急対応することである、と述べている。

 緊急対応の方策は一つしかなく、それは現在運転中の原子力発電所の運転停止を命ずることである、もしそうでなければ、「新型コロナウィルス感染緊急事態宣言」中に、想定されている原子力緊急事態が発生しないという保障は存在しない以上、住民に「コロナウィルス感染を選ぶか」「放射線被曝を選ぶか」の二者択一を迫ることになるからだ、と述べている。

 さらに、12年改正原子力基本法や原子力災害対策特別措置法、あるいは12年成立原子力規制委員会設置法は、福島原発事故への反省から、一致して「原子力の利用に当たっては国民の生命、健康、財産の保護を第一の目的とする」趣旨の法理念が謳われており、法の命ずるところ、その理念を具体的な形で実施するのが5人の規制委員の責務であるが、今のところ5人の委員は、この問題(規制法体系に不備・欠落があること)に沈黙を守り、我関せずの姿勢を貫いている、これは法が命ずる責務の放棄、いわゆる「不作為」に当たる、と指摘している。

 なお今回申し入れでは、特段に回答を求めていない。

(了)


■添付資料
原子力規制委員会 申入書(2020年5月11日)


【問い合わせ先】伊方原発広島裁判応援団事務局
〒733-0012 広島市西区中広町2丁目21-22-203
e-Mail :
URL: https://saiban.hiroshima-net.org
プレス担当者:哲野イサク

2020年5月12日プレスリリースNo.101


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