被爆地ヒロシマが被曝を拒否する伊方原発運転差止広島裁判
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「ふるさと広島を守りたい」ヒロシマの被爆者と広島市民が、伊方原発からの放射能被曝を拒否し、広島地方裁判所に提訴しました

第17回口頭弁論 2019年11月20日


今回期日では多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。
報告はまだ作成中ですが、先に当日資料を掲載いたします。

提出準備書面

準備書面26「震源を特定せず策定する地震動」 A4版3枚

御案内チラシ

▼御案内チラシ(クリックするとPDFでご覧頂けます)



以下は案内チラシの解説です。

▼案内チラシの解説
伊方原発3号炉からCs-137の5.1兆ベクレル放出容認は不当、違法


伊方原発3号炉からCs-137の5.1兆ベクレル放出容認は不当、違法

1.原子力規制委員会の定め

 原子力規制委員会は、「実用発電用原子炉(*通常の原発のこと)に係る炉心損傷防止対策及び格納容器破損防止対策の有効性評価に係る審査ガイド」において、「設置許可基準規則の解釈内規」で、「放射性物質による環境への汚染の視点も含め環境への影響をできるだけ小さくとどめるものであること」を確認するため、想定する格納容器破損モードに対して、「セシウム137の放出量が100テラベクレルを下回っていることを確認する」(同内規37条2-3(c))としています。

 ややこしい表現で恐縮ですが、要するに、原発重大事故時、炉心損傷に際して環境に放出するセシウム137放出量が100テラベクレルを下回っていることを確認する定めになっている、ということです。

 現在の原子力規制規則の上では、原発に絶対の安全性は求めず、敷地外へ放射性物質を放出するような重大事故の発生は認められることになっています。セシウム137で100テラベクレル放出まではOKということです。世界でもっとも厳しい規制基準とは、現政権首脳の決まり文句で、マスコミを通じて広く世間に広まりましたが、セシウム137を100テラベクレル放出する事故とは、チェルノブイリ事故や福島事故に次ぐ破局的大事故です。「世界でもっとも厳しい基準」とはとんだお笑いぐさです。まず、このような大甘で極めて危険な状態で、現在原発が再稼働していることを私たちはもっと幅広く世間に知らせていかなくはなりません。

2.伊方発電所3号炉重大事故等対策の有効性評価

 規制委員会の考え方に従えば、シビアアクシデント(重大事故)対策に失敗したとすると、炉心損傷、溶融が始まり、原子炉容器の内部は高温・高圧となり、格納容器の限界を越える事態になったとき、容器の破裂などの破局的事態を回避するため、容器内の減温・減圧を目的に高濃度の放射性物質を含む気体を容器外に意図的に放出すること、など以外に手段がなくなった時点で第5層の段階に移行します。

 これを四国電力が原子力規制委員会の「新規制基準適合性に係わる審査会合」に提出した資料(「伊方発電所3号炉重大事故等対策の有効性評価に係わる成立性確認 3.重大事故 補足説明資料」平成25年=2013年8月29日。以下「重大事故補足説明資料」または「補足説明資料」)でみてみましょう。

 四国電力は、いくつかの重大事故シナリオを検討したあと、次のように述べています。

 「重大事故が発生した場合の放射性物質の異常な水準の放出が防止できること(下線は引用者)を確認するために、格納容器破損モードにおける対策の有効性評価と同じ【大破LOCA時に(注:LOCA=Loss Of Coolant Accidentで、原子炉冷却系の配管が破断して冷却材が喪失する事故)ECCS注水機能及び格納容器スプレイ機能が喪失する事象】を対象にCs-137(セシウム137)の放出放射能量を評価した。」(同資料11-2)

 「ECCS注水機能」とは非常時炉心冷却系(Emergency Core Cooling System)のことですから、通常の炉心冷却ができないところに非常用注水機能も喪失するのでこれ自体重大事故発生です。しかもその上容器スプレイ機能(非常時に格納容器の上から冷却水を散布する機能)も喪失しているという絶体絶命のシナリオを想定しています。

 補足説明資料は、「本事故シーケンスは、炉心溶融が早く、炉心内の放射性物質は、早期に格納容器内へ大量に放出される。また、事象進展中は、格納容器の限界圧力を下回るため、格納容器破損防止は図られるが、格納容器内圧が高めに推移することから、格納容器内に対応した貫通部などのリークパス(容器の貫通部の接続部)からの漏えい量が多くなると共に、早期の漏えいに伴う放出のため、放射能の減衰も小さいことから、放出放射能量は多くなる。」(下線は引用者)としています。

 一見小難しそうなことを並べていますが、要するに炉心の溶融(メルトダウン)がはじまった、放射性物質の放出をせざるをえない状態になった、ということです。

 ここで「格納容器破損防止は図られる」と断定していますが、それはその時の状況によります。格納容器破損はありうる事態です。審査会合でもこのシーケンスで格納容器破損がありえないことを審査して確認していません。杜撰極まる審査というべきでしょう。

 同説明資料では本重大事故シーケンスをイメージ化した下図を掲載しています。



 これをみると、四国電力が、炉心冷却手段をすべて失い、炉心の核燃料はメルトダウンしており、建屋内はセシウム137(以下「Cs-137」と表記)が充満し、CS-137放出に至るイメージがよくわかります。

 またこの事象で放出するCs-137の放出量は、3号炉心内のCs-137の蓄積総量の算定からはじめて、放出率算定、格納容器内でのCs-137低減効果、除去速度の算出、格納容器からの漏 えい率の決定、漏えい割合の算定そしてフィルタ効果を考慮した7日間のCs-137の放出量を算定して求めています。

 炉心のCs-137の蓄積量をしめすのが下表です。



 3号炉炉心には、通常運転時ウラン炉心の場合、約3.3×1017Bq、1/4MOX燃料装荷時炉心の場合(実際に3号炉が1/4MOX燃料装荷をしたことは一度もない)、約3.2×1017BqのCs-137が蓄積されています。四国電力はウラン炉心の方が、値が大きいとして、約3.3×1017Bqを採用し、先ほどの算定手順に従って大気中への放出量を「約5.1×1012Bq」、すなわち5.1テラベクレルとし、適合性審査会合に報告しています。

 同補足説明資料では、「伊方発電所3号炉のCs-137の大気中への放出放射能量は、約5.1TBq (テラベクレル)である。審査ガイドに示された100TBq を下回り、環境への影響を小さくとどめることができる。」(同11-4)と説明しています。

3.Cs-137の5.1TBq放出は破局的大事故

(1)破局的大事故を起こさないことは国民的合意

 炉規制法では「炉心溶融は重大事故」と定義しています。炉心溶融が重大事故なら、環境に大量に放射性物質を放出するような事故は、重大事故を通り越して「破局的大事故」というべきでしょう。環境にCs-137を5.1テラベクレルも放出するような事故は「破局的大事故」です。日本で、二度と福島原発事故のような原発による破局的大事故をおこさないことが国民的合意事項です。しかし規制委員会は、新規制基準においてこれを容認しています。

(2)「100TBq」は単に目標値に過ぎない
 また四国電力は、Cs-137の5.1テラベクレルは「審査ガイドに示された100TBq(100テラベクレル)を下回り環境への影響を小さくとどめることができる。」と補足説明資料で主張していますが、この主張は、「Cs-137の5.1テラベクレル放出は環境に対する影響が小さい」こと、そもそも環境に対する影響が小さいとはどういうことなのか、全く科学的説明を欠いており説得力がありません。

 そもそも審査ガイドの100テラベクレルにもなんら科学的根拠がありません。

 2013年4月10日原子力規制委員会の事務局である原子力規制庁は、「安全目標に関し前回委員会(平成25 年4 月3 日)までに議論された主な事項」と題する資料を提出し、中で、「・事故時のCs137 の放出量が100TBq を超えるような事故の発生頻度は、100万炉年に1 回程度を超えないように抑制されるべきである(テロ等によるものを除く)」とした上、「④安全目標は、原子力規制委員会が原子力施設の規制を進めていく上で達成を目指す目標(下線は引用者)であること。」と断った文書が、100テラベクレルの唯一の根拠です。この「めざす目標」がそのまま審査ガイドに「目標値」として取り入れられているに過ぎません。

 目標値ですから、「事故時のCs-137 の放出量が100TBqを超えるような事故の発生頻度は、100万炉年に1回程度を超えない」ための審査が行われたわけでも、そもそも審査基準も存在しません。また「100万炉年に1回程度を超えない」という表現は、何か確率論的表現のように聞こえますが、発生確率計算をしたわけでもありません。

 1986年のチェルノブイリ事故、2011年の福島事故とわずか30年足らずの間に、CS-137を100テラベクレルどころか、それをはるかに超える破局的大事故を2回も起こしているのですから「100万炉年に1回」などという目標は目標ですらありません。単なる「願望値」に過ぎません。

 100TBq に何か科学技術的な根拠があるかのように補足説明資料で主張し、「5.1テラベクレルはそれを下回る」から、環境に重大な影響を与えないとする四国電力の主張は、非科学的といわざるを得ません。はっきりいえば言葉の誤魔化しです。ところがこのもっともらしいいい方に普通の人はコロっと参ってしまうのです。

(3)鹿児島地裁決定
 コロっと参ってしまうのは何も普通の人ばかりではありません。原発問題には全くのシロウトで、その上権威に弱い裁判官もコロっと参ってしまうのです。

 2013年4月22日鹿児島地裁は九州電力川内原発稼働等差止仮処分申立事件について、住民申立を却下する旨の決定(以下鹿児島地裁決定)を行いました。鹿児島地裁決定は、中で原子炉施設については「より安全側に立った判断が望ましい」(「同決定」84頁)とした上で、原子力規制委員会が決めた「安全目標」(炉心損傷頻度10-4/年程度、格納容器喪失頻度10-5/年、事故時にセシウム137の放出量が100テラベクレルを越えるような事故の発生頻度10-6/年)が「達成される場合には、健康被害につながる程度の放射性物質の放出を伴うような重大事故発生の危険性を社会通念上無視しうる程度に小さなものに保つことができる」(同86頁)とし、「原子炉施設の設置、運転に際して確保できる安全性については、上記の安全目標を一応の基準とすることが相当であり、そのレベルの安全性が達成された場合には・・・周辺住民の生命、身体等の人格権侵害又はそのおそれがあるとは認められない」(同86頁)と判示しました。

 鹿児島地裁決定が、原子炉施設の安全性の目安として上記安全目標を基準としたのならば、当該原子炉がその安全目標を満たしているとの事実を認定しなければなりません。しかし鹿児島地裁決定はその事実を認定していません。もともと「願望値」ですから認定事実そのものがありません。

 「規制基準の内容や各種審査基準の整備も、この安全目標を踏まえたものだと解される」(同86頁)と述べるに止まっています。要するにこの鹿児島地裁決定は、規制基準適合性審査に合格していれば、安全目標を満たしているはずだと勝手に思い込んでいるだけです。お粗末な裁判官です。人格権に基づく妨害予防請求権を争う申立でこのようなお粗末は到底許されるものではありません。

(4)規制委の説明
 それでは100TBqであれば環境への影響は十分小さいとした根拠はなにか?これに対する規制委の合理的な根拠の提示はありません。

 規制委は、「実用発電用原子炉に係る新規制基準の考え方について」という文書(2018年12月19日改訂版)を出していますが、その中で、Cs-137の100テラベクレル放出について、「半減期が短い希ガス、ヨウ素などではなく、想定される放出量が多く半減期が長いセシウム137の放出量を元に評価をすることを求めている。」(同162頁)としていますが、これはCs-137を指標核種とした理由であり、100TBqとした根拠にはなりません。

 また「長期避難を防ぐという観点からすれば、重大事故発生時におけるセシウム137の総放出量が100テラベクレルを下回れば・・・長期避難を余儀なくされる事態となる見込みは少ないと考えられる」とそれらしい理由を述べている箇所(同162頁)もありますが、理解に苦しみます。というのは、Cs-137の物理的半減期は約30年であり、1/4のエネルギー量に低下するのに60年かかります。これは「長期避難」のレベルではなく「移住」のレベルです。「移住を余儀なくされる見込み」は、逆に大きいのです。

 唯一根拠らしい説明は、「福島第一原子力発電所の事故では、・・・セシウム137の総放出量は約1万テラベクレルであったと評価されている。このため、仮にセシウム137の総放出量が約100テラベクレルであったとすれば、環境への放射性物質による汚染の影響を抑えることができたと考えられ、100テラベクレルという値は、現に発生した事故を踏まえても妥当である。」としている箇所(同162頁)でしょう。これは福島事故の1/100なら環境への影響は小さい、と述べているに過ぎません。同時に福島原発事故の1/100規模なら、原発事故も容認できる、といっているのに等しいのです。また規制委は容認できる原発事故の規模を判断できる、といっているにも等しいのです。規制委には日本社会が容認しうる原発事故の規模を判断できる行政裁量権はありません。

 それどころか、福島原発事故の経験を踏まえれば、原発推進論者を含め、日本社会では、原発に絶対的な安全性を求めないまでも、環境に大量の放射性物質を放出するような破局的大事故は起こしてはならない、とするのが社会通念でしょう。

 規制委の説明は、非科学的で不当であるばかりか、あたかも自分に容認できる重大事故を判断する行政裁量権があるかのように振る舞っている点で違法です。

4.国際原子力事象評価尺度ではレベル5

 そもそも、「Cs-137の5.1TBq」とは、国際原子力機関(IAEA)が定める「ヨウ素換算倍率係数:40」で換算すると、ヨウ素131で200TBq以上に相当します。

 IAEAと経済協力開発機構(OECD)が設定する国際原子力事象評価尺度(INES)では、このような原子力事故は、「レベル5」に相当します。

 INESによれば、レベル5とは、「放射性物質の限定的な外部放出:ヨウ素131等価で数百から数千テラベクレル相当の放射性物質の外部放出」のことであり、過去の核事故では、カナダのチョーク・リバー研究所原子炉爆発事故(1952年)、イギリスのウィンズケール原子炉火災事故(1957年)、アメリカのスリーマイル島原子力発電所事故(1979年)、ブラジルのゴイアニア被曝事故(1987年)などが該当します。

 セシウム137だけで200テラベクレル(ヨウ素131換算)の放出ということは、その他、ヨウ素131、セシウム134、ストロンチウム90など夥しい核種の放射性物質を合算してみると、優に数百ベクレル(ヨウ素131換算)に達します。

 私たち一般国民は、ウィンズケール事故やスリーマイル島原発事故と同等の破局的大事故を容認して、伊方原発3号炉の運転を認めることは断じてできません。またこのような原子力規制行政の在り方は到底看過できません。また12年改正諸法や規制委設置法で新たに謳われた「原子力の利用に際しては、国民の生命、健康、財産及び環境の保護を第一の目的にして行う」とする内容を盛り込んだ諸条文にも明白に違反しており、「審査ガイド」そのものが違法です。

  

5.全セシウム137放出が現実的な想定

(1)放出は5.1TBqに止まらないこと
 さらに伊方原発3号炉の重大事故発生時、3号炉原子炉からのセシウム放出が5.1TBqに止まる科学技術的根拠は極めて薄いことも指摘しておかねばなりません。Cs-137の5.1TBq放出は、いくつかある重大事故シークエンスの中の、「大破LOCA 時にECCS 注水機能及び格納容器スプレイ機能が喪失する事象」、すなわち一次冷却水配管が大きく損傷し、原子炉へ通常注水ができなくなった上、非常用注水機能が喪失し、炉心スプレイ機能が喪失するという絶体絶命の状況を想定した時の放出算定値です。
 当然炉心はすでに溶融を開始しています。



 想定では、こうした絶体絶命の状況においても、炉内における高温高圧ガスによる容器の破裂はなく、容器の接続部からCs-137が漏れるだけとしています。そしてその漏れる割合いを炉心蓄積量から算定しているに過ぎません。こうした想定だけがなぜ成り立つのか、他の事象の進展がなぜないのか、説明もされておらず、審査会合でもその根拠を明らかにしておらず、全く理解に苦しみます。メルトダウンしているのに格納容器は健全とする想定は恣意的と言わざるを得ません。

 また5.1TBqの算定についても前頁表にみられるようなさまざまな解析条件を設定した上で行われています。さまざまな解析条件を設定しないと、Cs-137の放出量算定は不可能であることは十分理解できますし、またそれぞれの条件設定に相当の根拠があることは理解できるとしても、「原子炉格納容器からの漏洩率0.16%/日」や「微粒子フィルタ除去効果99%」という条件設定は絶対的ではありえず、数ある仮説のなかの一つの仮説にすぎません。

 学会に発表する科学技術論文ならこれで十分でしょうが、人の命や健康あるいは財産権侵害に直結する問題の判断材料としては極めて不十分です。この程度の分析で了承する原子力規制委員会の審査の在り方は、福島第一原発事故被害の実態を正面から見据えたものとはいえません。

 「Cs-137の5.1TBq放出」は、「住民の生命・健康及び財産を守る」という立場から見れば、極めて恣意的な値であり、これ以上の放出の危険性を絶対排除するものではありません。

(2)全放出の想定こそ現実的
 人の命や健康、あるいは財産を保護し、福島原発事故による放射能災害の悲惨さを二度と我が国において起こさない、という立場からみれば、本件原子炉の炉心に蓄積するCs-137がすべて放出されるという仮定から問題を眺めてみざるを得ません。

 四国電力の解析によれば、本件原子炉の炉心には、「3.3×1017Bq」のCs-137が蓄積されているとのことです。

 「3.3×1017Bq」のCs-137とは330ペタベクレル(33京ベクレル)のCs-137のことです。福島原発事故では900ペタベクレルの放射性物質が環境に放出、とされています。

 しかしこの900ペタベクレルはヨウ素131換算値である。IAEAのヨウ素換算倍率係数の「40」を使って換算すると、Cs-137が330ペタベクレルということは、ヨウ素131換算で1万3200ペタベクレル(13.2エクサベクレル)という天文学的数字となります。ほぼチェルノブイリ事故で放出された放射能量の2倍です。

 しかも放出放射能はCs-137だけではありません。下表は福島原発事故の際放出された主な放射性物質の一覧です。



 炉心に330ペタベクレル相当のCs-137が蓄積されているということはそれに対応する他の放射性物質(死の灰)が相当する量で蓄積されていることを意味します。Cs-137が全量放出されるという仮定は、これら他の死の灰がすべて放出されるということを意味します。

 重大事故を起こしたとしてもそれは炉心に抱える全放射性物質の放出という事態にはならない、という反論があるとしてもその議論はおよそ意味を持ちません。

 私たちは学問上の科学技術論争をしているのではありません。私たちの生命・健康及び財産の保全ができるかどうかを問題にしているのです。

 四国電力が、破局的大事故を絶対におこさないと相当の根拠をもって主張するならともかく、重大事故を起こすことを前提にして新規制基準が策定され、重大事故発生時の敷地外放射性物質放出を想定して、住民避難計画策定まで義務付けている現行原子力規制法体系の下で、新規制基準に適合し、合格の上再稼働している伊方3号炉が、重大事故時どの程度の放射性物質を環境に放出するだろうかなどという議論はおよそ意味を持ちません。

 四国電力自身が、重大事故時のCs-137の環境への放出量を算定し、その算定が絶対のものではない以上、重大事故時炉心の抱える全放射性物質放出を想定することこそが、私たちの生命・健康及び財産を保全するという立場からは唯一現実的な想定でしょう。

 破局的大事故を起こすことを織り込んだ上での、伊方原発3号炉の運転は決して許されるものではなく、関係する全市民が運転阻止に立ち上がらなくてはなりません。


展示パネル

会場で展示したパネルです。クリックするとPDFでご覧いただけます。



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