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「ふるさと広島を守りたい」ヒロシマの被爆者と広島市民が、伊方原発からの放射能被曝を拒否し、広島地方裁判所に提訴しました



広島県神石高原町で「日本と原発~4年後」上映会 アフリカ諸国との見えない絆


2016年11月20日(広島):
 広島県のほぼ東北部に位置する神石高原町油木地区で、福島第一原発事故の悲惨さとその後を描いたドキュメンタリー映画「日本と原発~4年後」(河合弘之監督)の上映会が11月23日に開催される。(添付チラシ「百年後、遺したいのは放射能の恐怖なんかじゃない」参照のこと)

 主催は「神石高原の風を未来へとどける会」で、伊方原発広島裁判応援団が全面協力する形で実現するもの。

 上映会呼びかけ人の1人は、5年前に神石高原町油木地区にIターンした久保祐子さん。昨年12月までの3年半は、家族でアフリカのウガンダ(東西南北をケニア、コンゴ、ルワンダ、タンザニア、南スーダンに囲まれた共和制国家。かつての独裁者アミンが有名。首都はカンパラ)に在住した。在住中は福島第一原発事故後の日本の放射能汚染状況を懸念、また実際にウガンダで親しくなった友人に申し訳なさそうに「日本の食品は放射能汚染の恐れがあるため摂取できない」と提供した日本食を断られた経験もある。

 神石高原町に帰国してみると、日常生活で原発事故や放射能汚染の話はほとんど話題にのぼらず、ウガンダの友人たちが口にする関心や懸念との違いに驚いた。

 ドキュメンタリー映画「日本と原発~4年後」の自主上映会が全国で展開されていることを知った久保さんは「まずは知ることが大切。原発の是非や放射能汚染に関する判断は、実態を知った後でいい」と地元の油木地区での上映会を思い立った。普段原発のことや放射能汚染のことなど話題にのぼることのない同地区での日常生活の中で、思い切って話題にしてみると、上映会に賛同する人たちが続々と増え、主催者団体として「神石高原の風を未来へとどける会」を結成し、今回上映会にこぎつけた。

 アフリカ諸国では一般に「核」に対する拒否反応が強い。「広島・長崎原爆」についてもよく知られているほか、フランスが植民地時代のアルジェリアで強行したサハラ砂漠での核実験による被曝被害者の経験もよく共有されている。またアフリカ諸国民は、中東・アフリカ地域唯一の核兵器保有国イスラエルの「核」に対する恐怖にも永年脅かされてきた。さらに一時はアパルトヘイト時代に核兵器を開発し、実戦配備までした南アフリカの「核」にも脅かされてきた。

 南アフリカはアパルトヘイト政権末期、ネルソン・マンデラ政権への移行期のデ・クラーク政権時代、実戦配備した核兵器を完全廃棄し核兵器不拡散条約(NPT)に加盟したいきさつをもつ。また南アフリカの核兵器完全廃棄・NPT加盟をきっかけにして、それまで遅々として進まなかった「アフリカ非核兵器地帯条約」が一気に加速し、ついに2009年同条約が発効してもいる。(南アフリカは実戦配備した核兵器を完全廃棄した唯一の国)

 地球規模での電力インフラ整備計画を進めている国連とその下部機関の世界銀行は、地球規模での電力インフラ整備のためには毎年6000億ドルから8000億ドルの投融資が必要としており、その重点投融資地域が多くのアフリカ諸国だ。2013年11月27日、世界銀行のジム・ヨン・キム総裁は、「今後アフリカ地域での電力インフラ整備では、原発は投融資の対象から外す」と発表した。キム総裁の「原発は世界銀行の投融資の対象としない」とする方針も原発ビジネスが国際的に見れば斜陽産業であるという理由の他に、アフリカ諸国民一般がもつ「核に対する強い拒否反応」に考慮したものと考えられている。

 今回の神石高原町の「日本と原発~4年後」上映会もこうした「アフリカからの風」がもたらしたものといえなくもない。

 上映会では油木地区に住む広島原爆被爆者の山本剛久さんが開会のあいさつをするほか、上映後の交流会では、伊方原発広島裁判原告団の団長でやはり広島原爆被爆者の堀江壯さんがあいさつする運びとなっている。

(以上)

<添付資料>
A4版チラシ「百年後、遺したいのは放射能の恐怖なんかじゃない」

【問い合わせ先】伊方原発広島裁判応援団事務局
〒733-0012 広島市西区中広町2丁目21-22-203
e-Mail :
URL: http://saiban.hiroshima-net.org
プレス担当者:哲野イサク

2016年11月20日プレスリリースNo.023


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