被爆地ヒロシマが被曝を拒否する伊方原発運転差止広島裁判
お問い合わせ

「ふるさと広島を守りたい」ヒロシマの被爆者と広島市民が、伊方原発からの放射能被曝を拒否し、広島地方裁判所に提訴しました


伊方3号炉仮処分広島高裁異議審、裁判官忌避申立理由書が書面で提出さる


2018年7月10日(広島)
 四国電力伊方3号炉の運転差止仮処分命令を巡る広島高裁異議審の第2回審尋期日(18年7月4日)で、申立人らは三木昌之裁判官(裁判長)、冨田美奈裁判官(右陪席)、長丈博裁判官(左陪席)の忌避申立を口頭で行ったが、7月7日正式に「忌避申立理由書」が裁判所に提出された。(本プレスリリース添付)
 理由書はA4版17頁に及ぶ。「第1 はじめに」で「第2回審尋期日において、三木昌之裁判長裁判官、冨田美奈裁判官、長丈博裁判官(以下、『本件裁判官ら』という。)は、原発事業者である債務者に肩入れし、申立人ら(債権者ら)の反論を軽視し、申立人らが申請していた証人全員を不採用とした。そして、本年9月30日までに伊方原発3号機の運転を再開させようとする姿勢を鮮明にした。」と述べ、「第3 証人尋問の必要性」では、
 「債務者が阿蘇に関して展開しているすべての主張の不合理性について的確な判断を下すためには、適切な専門家から直接意見を聴取し、火山学の限界等に関して十分に深い認識を得ることが必要である。また、万が一、債務者が原子力規制委員会における適合性審査時にもまったく主張していなかった事項を認定するならば、その裏付けとなる専門家の意見を直接聴き、反対尋問や質疑応答などを経て慎重に吟味することが不可欠である。」
 としている。
 さらに「第4 第2回審尋期日の状況」では、裁判官らが四国電力にあからさまに肩入れしている状況を説明し、申立人らの反論を軽視している状況を指摘した上で、
 「本来であれば、本件原発の安全性に直結する重要な争点についての証人らを不採用とするには、それなりの説得的な理由が必要であり、裁判官らは、その理由を明らかにする責務がある。しかし、本件裁判官らは、証人を不採用とする理由を一言も述べなかった。これは、不採用とする説得的な理由が存在しなかったことの証左である。」
 と指摘している。
 また「多くの裁判官が、原発訴訟の難しさに直面し、質疑応答によって疑問を解消して慎重に心証を得ようとする中で、火山や地震の第一人者である専門家の説明すら聞こうとしない本件裁判官らの態度からは、申立人らの主張に耳を傾けず、事業者の主張、ひいては行政の判断を追従しようとしていることが明白である。このように、本件裁判官らからは、債務者に有利な材料を急いで集め、何としても平成30年9月30日より前に本件原発の運転を再開させるための決定を書こうという強い意志しか見て取れない。」
 とも指摘している。

 最後は司法の責任と役割についても触れ、「第5 本件裁判官には裁判の公正を妨げる事情がある」の中で、
 「申立人らの重要な証人申請を軒並み不採用にするような本件裁判官らの態度は、国民の裁判所に対する信頼を著しく損ねるものであり、『裁判所は再び原子力ムラに与するのか』との国民の強い怒りを買うことは必定である。福島原発事故は東京電力による津波対策の放棄とこれを是認した国・保安院の判断の誤りが主因であるが、我々は、地震や津波の危険性を指摘して全国で闘われていた原発訴訟において、原告らの指摘を無視してきた裁判所にも、事故発生の責任の一端があると考える。そして、本件訴訟指揮が『公正を妨げるべき事情』といえるか否かは、このような、福島第一原発事故によって失われた国民と裁判所との信頼関係の回復という大局的視点から判断されるべきである。」
 とも述べている。

(了)

<添付資料>
2018年7月7日提出「忌避申立理由書」(A4版17頁)

【問い合わせ先】伊方原発広島裁判応援団事務局
〒733-0012 広島市西区中広町2丁目21-22-203
e-Mail :
URL: http://saiban.hiroshima-net.org
プレス担当者:哲野イサク

2018年7月10日プレスリリースNo.067


ページのトップへ戻る