被爆地ヒロシマが被曝を拒否する伊方原発運転差止広島裁判
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「ふるさと広島を守りたい」ヒロシマの被爆者と広島市民が、伊方原発からの放射能被曝を拒否し、広島地方裁判所に提訴しました

2016年11月13日「四国電力伊方原発広島への危険性」
講演会・座談会


2016年11月13日、メルパルク広島5階瀬戸の間で、広島大学大学院理学研究科・早坂康隆准教授の、「伊予灘中央構造線の位置と伊方原発周辺の地震ポテンシャル~想定されるあらゆること~」と題する講演会が開かれました。
当日会場のメルパルク広島「瀬戸の間」は、全ての席が埋まり、スタッフの応援団事務局員は立って講演を聴かなければならないほどでした。

広島ホームテレビ(テレビ朝日系列)は、早坂准教授のインタビューを交える形でこの講演会の模様をニュースにし、ANN系列で各局に配信しました。

講演の内容は一言でいえば、「本来の中央構造線は伊方原発の600m沖海域を通過しており、同原発は中央構造線のダメージゾーンに位置している」「佐田岬半島北岸の中央構造線の位置にほぼ鉛直の、高角度の活断層が発生している可能性があり、その場合これを震源とする伊方原発敷地直下型でマグニチュード8クラスの巨大地震が発生する恐れがある」というもの。
同准教授は今年の9月に開かれた日本地質学会でこの新知見を学術発表し、学者・研究者から大きな反響を呼んでおりました。今回の講演会はこの学術発表を、一般市民向けに発表者本人がわかりやすく講演したものでした。学会発表後、同准教授が一般市民向けに講演するのは今回が初めて。
従来四国電力は、問題の伊方原発近傍の活断層帯は伊方原発敷地前面海域5km~8kmに位置するとし(いわゆる伊方原発敷地前面海域断層帯)、直近には活断層は存在しないとしてきました。早坂准教授の新知見は四国電力の見解と真っ向から対立するもの。
すでに再稼働している伊方原発3号機は、原子力規制委員会の規制基準適合性審査においては、「伊方原発敷地前面海域断層帯」などを想定して審査が行われ、基準地震動を650ガルと決めたいきさつがあります。もし早坂准教授の新知見が、地震学会や地質学会の共通知見となれば、原子力規制委員会の「伊方原発規制基準適合性審査」は根本からやり直さざるをえず、同原発の再稼働そのものに大きな影響を与えることは確実です。

なにより、四国電力は早坂准教授の新知見を薄々認識していた形跡があり、このためあえて問題の活断層帯を調査してこなかったことが強く疑われます。同准教授は講演の中で「四国電力の報告書(2013年及び2014年)は、問題の和泉層群と三波川帯の境界(中央構造線の一部。問題とする活断層帯)についていっさい検討しておらず、根本的な欠陥を含んでいる」と指摘して、この疑いを強く示唆しています。

また講演の後で開かれた座談会では、早坂准教授は参加者の質問に答える形で「私の思い描く最悪のシナリオは、伊方原発敷地直下型の巨大地震が発生し、制御棒を下ろすことができず(炉心緊急停止に失敗)伊方原発が核暴走したまま、伊方原発の敷地全体が瀬戸内海に崩れ落ちていく事態です」と指摘しました。

広島市民としては、あまり考えたくない事態ですが、そうなれば伊方原発敷地内にため込まれた使用済みを含む核燃料全体を考えれば、チェルノブイリ事故、福島第一原発事故をはるかに上回る原発事故が瀬戸内海で発生し、地球規模での放射能汚染が強く懸念されます。
座談会に出席した伊方原発広島裁判の弁護団長格の胡田敢弁護士(胡田敢法律事務所・広島弁護士会所属)は「この新知見は裁判でも必ず使わざるをえないだろう。非常に有意義な1日だった」と述べ、また同じく座談会に出席した原告の西本彩さんは「私たちの裁判闘争は単に裁判闘争ではなく、反伊方原発・反原発の大きな運動なんです。こうした新知見を市民社会に広め、伊方原発の危険について事実に基づいて認識共有していくことが大切だ、と改めて感じました」と述べました。


「四国電力伊方原発広島への危険性~新たな学術的知見」講演会・座談会
日時:2016年11月13日(日)14:00~17:00
場所:ホテルメルパルク広島 5F「瀬戸の間」
入場無料・予約不要(資料代500円)
共催:“STOP!伊方”広島の大学人の会/中国文芸研究会/伊方原発広島裁判原告団・応援団

▽簡易報告
早坂講演簡易報告
▽早坂准教授講演レジュメ
(講演発表スライドです。画像をクリックするとPDFでダウンロード頂けます。※約70MBあります)


以下、当日の記録映像です。レジュメを参照しながらご覧下さい。

▽講演会動画(第一部)

(Copyright © 2016 伊方原発広島裁判応援団 All Rights Reserved.)

▽講演会動画(補足プレゼン)

(Copyright © 2016 伊方原発広島裁判応援団 All Rights Reserved.)

▽講演会動画(第二部)

(Copyright © 2016 伊方原発広島裁判応援団 All Rights Reserved.)


▽御案内チラシ(画像をクリックするとPDFでダウンロード頂けます)


広島大学大学院理学研究科早坂康隆准教授(専攻は岩石学・構造地質学・地質年代学)や 愛媛大学前学長小松正幸名誉教授(専攻は岩石学・構造地質学)らのグループは、伊方原発近傍の活断層は、従来いわれていた前⾯海域断層帯(同原発から6~8km沖の海域)だけでなく、敷地から約600m沖に危険な活断層が存在している可能性を明らかにし、本年9月の⽇本地質学会学術大会で発表した。この新たな知見は、公表したばかりでもあり学界内でのコンセンサスが得られる段階にはないが、ここ2~3年内に伊方原発の危険性についての有力な共通知見となる可能性が大きい。私たちはこの新たな知見をいち早く市民社会に紹介・普及し、市民の知的共有財産とする目的をもって本講演会を開催する。ひとたび原発で過酷事故がおこれば「国破れて山河もなし」となる。二度と「想定外」とは言わせまい。

当日はツイキャス中継も行いました。
▽ツイキャス
http://twitcasting.tv/togura04

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